「奈緒」が語る、婚活アプリのリアルな一面 辻村深月のベストセラー小説「傲慢と善良」が映画化
「え、そうなんですか。私自身は自分を清純派だと思ったことはないんです! 私はとにかく面白いことが大好きで、仕事をする上で『面白いかどうか』が一番の原動力です。例えば、清純派だと思われているなら、黒幕の役をやったら驚いてもらえるかなぁ……って考えたりします。自分の印象を変えるというより、自分のイメージも含めてすべてを使って作品をどう面白くできるかを考えるのは楽しいです」 単に役を演じるだけではなく、作品全体を見渡すプロデューサー的な視点を持ち合わせているようだ。
「キャスティングが決まった瞬間から、すでに演出は動き出していると思うんです。自分がこの作品に選ばれた理由や、その作品においての役割を考えることが、役や仕事に取り組む上で最もワクワクする部分かもしれないです」 ■30歳の自分にエールを送る 奈緒は、年齢を重ねても「ブレない自分らしさ」を持ち続けたいと強く願っている。そのためには、好きなことをやり続けることが何より大切だという。 「これから年齢を重ねても、自分らしさって結局『好きなことをやる』ってことだと思うんです。そして、その中で生じる大変さや苦しみも楽しむこと。それができれば、たとえ苦しいときがあっても、乗り越えられるんじゃないかな」
自分の選択や悩む時間さえも、自分を大切にするための欠かせないプロセスだと語る。 「私は、何かを選ぶときや、結果が出るまでの間は、どれだけ悩んでもいいと思ってるんです。その時間こそが、自分を大切にしている証だと思うから」 30歳を目前に控えた奈緒は、これからの自分の理想像について静かに思いを巡らせている。 「今、29歳だけど、30歳の自分に対して一つだけ願うとしたら、今の私が想像する自分を超えてほしいということ。30代には、20代とは違う新しい自由が待っている気がしていて、もっと自分らしいスタイルを見つけながら成長し続けたいと思う。だから、今の自分を超えていけると信じて、『頑張れ』とエールを送りたい。少し他人事みたいに聞こえるかもしれないけど(笑)」
「自分を信じること、それがすべての始まり」。奈緒が自分を信じて楽しみながら歩み続ける姿が、どんな形で表現され、どのように広がっていくのか、ますます目が離せない。 ヘアメイク:masaki スタイリスト:岡本純子
池田 鉄平 :ライター・編集者