「奈緒」が語る、婚活アプリのリアルな一面 辻村深月のベストセラー小説「傲慢と善良」が映画化
奈緒が、公式インタビューで「自分を好きになれなくて蓋をしたい気持ちを、この『傲慢と善良』という言葉が救ってくれた」と語った背景には、こうした真実の内面に対する深い理解があったのだ。 「例えば、誰かに点数をつけてパートナーを選ぶというような表現を聞くと、その言葉に少し傲慢さを感じてしまうことがありました。そのため、その言葉に対して違和感や居心地の悪さを覚えていたんです。でも、人間にはそういう傲慢な部分があるものだと、作品を通じて理解できたんですね」
この作品を演じ終えた後、奈緒は自分を少し許せるようになったと感じたという。 「自分を許せるようになったことに気づき、もっと早くこの原作に出会いたかったと思いました。これからは自分の中の傲慢な部分を『これは私の傲慢さだ』と受け入れて、そこから行動を変えていくことができる気がしています。自分の思考や行動についても、手放したり蓋をしたりするのではなく、自分を受け入れることで、新たな希望を感じられる気がします」
■奈緒が語る婚活アプリのリアルな一面 奈緒は、今回の役作りで特別な準備をする必要はなかったという。それは、マッチングアプリや婚活が彼女の身近な環境では、当たり前のものになっているからだ。 「私くらいの年齢だとマッチングアプリや婚活が周りでは普通に話題に上がるくらい身近なものでしたので、本当に今の時代の話だなと感じました」 さらに、奈緒の親友が婚活アプリで出会った相手と結婚したことも、この作品をリアルに感じさせる要因となった。
「実際に親友が婚活アプリで出会った方と結婚したので、とても身近な話に感じていました。真実と架は婚活アプリで何人ぐらいの人と会ったのか、その数が多いのか少ないのかという感覚は、実際にやってみないとわからないですよね。その点について、監督も含めてみんなで話し合いましたが、改めて人によって感覚はさまざまだと思います」 このように、奈緒は作品を通じて、現代社会における自由な選択がもたらす葛藤やプレッシャーについてもメッセージを伝えたいと考えている。