反ESG、脱化石燃料急かす「愚か者」が誘発-ヘッジファンド創業者
バス氏は「炭化水素を避けることは、投資に政治を持ち込むようなものだ」とコメント。「そのためにリターンを犠牲にするならそうすればよいが、甘い考えであり受託者責任違反だと思う」と話した。
一方、気候科学者たちは、排出量の増加により洪水や山火事、干ばつがますます深刻化しており、地球は危険な転換点に達していると警告。排出を直接増加させる化石燃料に資金を供給し続けるのは、気候の危機的状況を助長することになり、早急に抑制する必要があると主張する。
国際エネルギー機関(IEA)は、地球温暖化について産業革命以前に比べ1.5度の上昇に抑える目標を達成する上では、2050年までに未対策の化石燃料の割合を全エネルギー供給の5%のみとする必要があるとしている。
移行の支援示せばESG戦略
世界最大のESG投資規則のある欧州では、規制当局のスタンスが変わりつつある。化石燃料への絶対主義的な姿勢の緩和に向け、既存の規制の広範な見直しが現在進められている。基本的に、二酸化炭素排出量の多い企業がグリーンな未来に移行するのを支援しているのを示せる投資家は、それをESG戦略と呼ぶことができる見通しだ。
ESG投資家は、化石燃料セクターに対し規制が寛容になるとの見方から既に戦略を調整し始めている。ゴールドマン・サックスのアナリストの最近の調査によると、ESGファンドの石油・ガス産業へのエクスポージャーは、1年前に比べ拡大している。
ゴールドマンのエバン・タイレンダ氏、グレース・チェン氏らアナリストは、欧州でのESG規制の変化は、「従来は除外されていた企業への資金フローを促す可能性がある」としている。
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原題:Kyle Bass Says Blackballing Oil Has Proved a Bad Bet for ESG (1)(抜粋)