ヒマラヤの小国ブータン、7億8000万ドル以上のビットコインを保有
インドと中国の間に位置する美しい国が、過去数年間で7億8000万ドル(約1092億円、1ドル=140円換算)相当のビットコイン(BTC)を保有している。その額は国内総生産(GDP)のほぼ3分の1に相当し、国が保有するビットコインとしては世界第4位であることが、オンチェーン分析ツールのアーカム(Arkhan)の調べで明らかになった。 ヒマラヤ山脈に位置するブータンは、国民の幸福こそが国の繁栄のより良い指標であると考え、90万人に満たない国民の幸福を重視している。同国は、エルサルバドルに次いでビットコインを公式に保有した2番目の国であるが、ブータンの場合は国営のDruk Holdingsファンドの一部として保有している。 「ブータンは複数の場所にビットコインマイニング施設を建設しており、最大のものは現在は廃止された教育都市プロジェクトの跡地にある」とArkhanはXの投稿で述べた。「ほとんどの政府とは異なり、ブータンのBTCは法執行機関による資産押収によるものではなく、ビットコインマイニング事業によるものだ。この事業は2023年初頭から劇的に成長している」。 BREAKING: BHUTAN GOVERNMENT’S $750M BTC NOW ON ARKHAM Bhutan’s Bitcoin holdings are now labeled on Arkham. These holdings come from Bitcoin mining operations carried out by the Kingdom of Bhutan’s investment arm, Druk Holdings. Arkham is the first to publicly identify these… pic.twitter.com/a8ScUNJJ9F — Arkham (@ArkhamIntel) September 16, 2024 この事業の成長は、大手マイニング企業ビットディア(Bitdeer)と関連がある可能性が高い。シンガポールに拠点を置く同社は2023年、ブータン政府と協力して東南アジアで暗号資産(仮想通貨)マイニング事業を立ち上げることを発表し、この事業のために5億ドル(約700億円)以上を調達した。その後まもなくビットディアはプロジェクトの第1段階として100メガワット(MW)の施設を建設したと発表した。 2024年4月には、ビットディアは2025年までにブータンのマイニング能力を600MWに拡大する計画だと発表した。 スイスよりも小さなブータンは、経済の多様化がほとんど進んでおらず、民間部門の開発も始まったばかりだ。同国は、収益を水力発電、観光、農業に依存している。国内総生産(GDP)は国内で生産された完成品およびサービスの総額だが、2022年には30億ドル(約4200億円)弱であり、インド洋の小国モルディブの約半分だった。 そのため、Druk社は国の財政を拡大するためにさまざまな分野に進出している。同社のサイトでは、水力発電プロジェクトやメタバースなど、テクノロジー主導の投資戦略における主な重点領域の 1 つとして「暗号資産」が示されている。 アーカムが追跡したDrukのウォレットでは過去数週間、入出金活動が活発に行われていることが確認されている。同社は過去1週間に、別のマイニング貴重であるFoundryや、その他の身元不明のアドレスから最大2BTCを数回受け取っている。 同社は定期的にビットコインを他のアドレスに送信しており、時には暗号資産取引所に送信している。7 月初旬の取引では、2500万ドル(約35億円)相当以上のBTCが暗号資産取引所クラーケン(Kraken)に送信され、そこで売却された可能性が高いことが確認されている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bhutan, Tiny Country With $3B GDP, Holds Over $780M in Bitcoin
CoinDesk Japan 編集部