8着に敗れた〝欧州最強馬〟シティオブトロイ オブライエン調教師が語った「自責の念」/BCクラシック回顧
【TPC秋山響の海外競馬解析】現地2日に米国カリフォルニア州のデルマー競馬場で行われたGⅠ・BCクラシック(ダート10ハロン)。F・プラ騎手とのコンビで後方を追走したシエラレオーネ(牡3=父ガンランナー、C・ブラウン厩舎)が3コーナー過ぎからまくってポジションを上げ、直線入り口でフィアースネスをかわして先頭に立つと、そのまま押し切って1馬身半差で優勝した。 シエラレオーネは1歳時に230万ドル(約3億5000万円)で落札された高額馬(いとこが今回3着のフォーエバーヤング。近親にJRA年度代表馬ゼンノロブロイ)。 今年4月のブルーグラスS(ダート9ハロン)でGⅠ初制覇を果たした後は、GⅠケンタッキーダービー(ハナ差2着)、GⅠベルモントS(3着)、GⅡジムダンディS(フィアースネスの2着)、GⅠトラヴァーズS(フィアースネスの3着)と追い込んで届かずの競馬が続いていたが、今回はデルマソトガケが作り出したハイペース(2ハロン通過22秒43、4ハロン通過44秒96、6ハロン通過1分09秒44は超高速。21年にデルマーで行われたこのレースを逃げ切ったニックスゴーの23秒16、45秒77、1分10秒04、同じく17年に逃げ切ったガンランナーの22秒50、46秒31、1分10秒50を上回る)も追い風にしての勝利となった。 一方、残念な結果に終わったのは8着に終わった欧州最強馬シティオブトロイ。スタートでスピードに乗り切れず後方からの競馬となってしまい、万事休す。管理するA・オブライエン調教師は「ゲートから十分に速く出るように仕上げることができませんでした」と自責の念を口にしたが、陣営の勇気ある挑戦が今年のBCクラシックをより興味深いものにしたのは確か。そのチャレンジ精神に拍手を送りたい。 なお、シティオブトロイでは勝利を逃したクールモアだが、勝ったシエラレオーネもクールモアが共同所有している馬。2着フィアースネスも引退後にはクールモア(アメリカ)での種牡馬入りが決まっている。
東スポ競馬編集部