「老齢一人暮らしの母」が家に入れてくれない 2年ぶりに入った実家は「ゴミ屋敷」になっていた
実家に35年間、一人で暮らす90代の母。父の月命日に子どもたちが家を訪れると、部屋に母の姿はなかった。そして、いつも入れようとしなかった部屋のドアを開けると、そこはゴミ屋敷となっていたーー。 本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。 ゴミ屋敷の片付け・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)を営み、YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信する二見文直社長に、「高齢者の孤独」によって引き起こされるゴミ屋敷の全容を聞いた。 【写真を全部見る】「ゴミ屋敷になった実家」の片付け前と片付けた後
動画:ショック「母親がこんな生活していたなんて」わずか3カ月で手が付けられない ■キッチンに放置されたままのヨーグルト 関西地方の一軒家に住む90代の女性は、35年前に夫と死別して以来、ずっと一人暮らしをしていた。その家の1階は、かつて夫婦で商売を営んでいた店舗スペースとなっている。しかし、すでに暖簾を下ろし、今は不用品が詰め込まれた段ボールや衣装ケースが置かれているだけだ。 2階は居住スペースになっている。寝室とキッチン、トイレ、洗面、シャワールームもあり、生活は主にここだけで済ませていたようである。3階にはハンガーラックがひとつと多少の荷物が残っているが、やはり生活をしていた痕跡はない。
【画像】母が頑なに入れてくれなかった実家…衝撃のゴミ屋敷に。片付け後はスッキリ生まれ変わった! (24枚) 今回の依頼者である2人の子ども(長女・長男)が久しぶりにその部屋に足を踏み入れたとき、「母がこんな生活をしていたなんて」とショックを受けるほどに荒れていた。 すでに2人の手によってある程度片付けが済んではいるものの、今でもキッチンには飲みかけの飲料や食べかけのヨーグルトが放置されたままで虫が湧いている。ベランダに出ると、枯れた植物が雨ざらしになったままだ。トイレはカメラでは映すことができないほどに汚れきっていた。