「老齢一人暮らしの母」が家に入れてくれない 2年ぶりに入った実家は「ゴミ屋敷」になっていた
このように、ゴミ屋敷やモノ屋敷には、心の問題が関わっていることが多い。しかし、高齢者の場合、そういった問題がなくとも「一人暮らし」というだけで部屋が荒れてしまう可能性があるのだ。 ■ゴミ屋敷は新居同然に生まれ変わった 現場に入ったスタッフは5名。荷物の量は少ないので、片付けは約1時間で完了した。しかし、今回は病院から帰ってくる母を綺麗な部屋で迎え入れることが最大の目的だ。片付けの後はハウスクリーニングを施していく。
キッチン、風呂場、洗面所の水垢はメラミン樹脂でできたスポンジ「激落ちくん」を使って磨き上げる。汚れやヌメリがこびりついている排水溝の部品には、漂白剤をかけてしばらく時間を置いた後、熱湯に浸ける。すると、擦らずとも汚れとヌメリが浮いて落ちる。 床もフローリング用洗剤とモップで汚れを落とす。から拭きした後は仕上げでワックスをかける。すると、子どもたちが目を疑ったゴミ屋敷は新居同然に生まれ変わった。病院から帰ってきた母親もきっと驚くことだろう。その姿が思い浮かんだ。
國友 公司 :ルポライター