息子が寝坊をして、大学の1限目を休みました。学費を払っている親としては「授業1回」が何円分なのかが気になります…
大学生の息子が友人と遅くまで遊んで、翌日の1限目までに起きられなかった、といったこともあるでしょう。本人は気にしていなかったとしても、親としては「このような調子で大丈夫なのか」と心配になるかもしれません。 また、授業を欠席すれば、そのたびに授業料の払い損が増えることにもなります。相応のお金を払っている以上、一度の欠席でどの程度の損失が発生するのかも気になるところでしょう。 そこで今回は、「授業1回あたりの授業料」の平均について解説します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
授業1回あたりの授業料の計算方法
授業1回あたりの授業料を計算するにあたって、以下の前提を設けます。 ・「大学設置基準」より、卒業に必要な最低単位は124単位、年間では31単位とする(医学部など、一部学部は異なる) ・1科目2単位で、15授業構成とする 以上に基づくと、1年間で最低限受講しなければならない科目数は、次の通りです。 ・31(単位/年)÷2(単位/科目)=15.5(科目/年) 15.5科目を受講することはできないため、事実上は16科目となります。 続いて、1年間に必要最低単位を取得するための授業数を計算します。 ・16(科目/年)×15(回/科目)=240(回/年) よって、授業1回あたりの授業料は、以下の式で計算できます。 ・年間の総授業料(円/年)÷240(回/年)
授業1回あたりの授業料の平均
文部科学省の令和5年の「2023年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)」および「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、大学入学初年度の授業料の平均額は、次の通りです。 ・国公立大学(昼間部):53万6191円 ・私立大学文系:82万7135円 ・私立大学理系:116万2738円 上記の金額を、年間で最低限受けなければならない授業数240回で割ると、授業1回あたりの授業料は以下のように算出されます。 ・国公立大学(昼間部):約2234円 ・私立大学(文系):約3446円 ・私立大学(理系):約4845円 国公立大学(昼間部)が約2234円であるのに対して、私立大学(理系)は約4845円と、約2倍の差があることが分かります。したがって、授業1回あたりの授業料は、通っている大学や学部などによって異なるといえるでしょう。 なお国立大学は、授業料の標準額が「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」によって定められています。文系、理系に共通の標準額が適用されるため、学費が学部によって極端に異なるケースは少ないと考えられます。