ラーメン業界“閉店ラッシュ”の中で店舗を増やし続ける「丸源ラーメン」。圧倒的な成長を可能にした強みとは
二代目丸源、きゃべとん…新業態の開発も
③標的顧客のニーズに合致した業態開発! 標的顧客への対応を強化し規模の経済も発揮。周辺顧客も吸引し、一定程度のボリュームが望めるならそれらに対応した業態を開発し取りこぼしがないように徹底している。物語コーポレーションのラーメン事業の中で、コア店舗である丸源ラーメンは、ご家族連れ向けに適した業態であり、その丸源ラーメンのコンセプトを踏襲しながらもより高い専門性を打ち出している。 ラーメンマニアから家族連れまで幅広い顧客層を標的にした店づくりの「二代目丸源」、ラーメンマニアをターゲットの選定した小型店の「熟成醤油ラーメンきゃべとん」など、新業態の開発だ。市場を細分化し、ターゲット客を選定し、その中で自店の立ち位置を明確にするなど、マーケティングの強化にも力を入れて、市場の棲み分けを行いながら新たな業態を順次投入している。
店舗経営に重要な「顧客生涯価値」とは?
④顧客基盤の盤石化 丸源アプリが好調でダウンロード数が、昨年末に250万を突破するなど、顧客の囲い込みにも成功している。市場の将来予測に基づくと、インバウンド効果は安定しているだろうが、人口減少や少子高齢化でラーメンの喫食人口の減少は回避できない。 新規顧客獲得のコストが高くなる中、既存顧客の来店を促し、その顧客が生涯にわたり自店で消費してもらえるようににブランドロイヤリティ(忠誠度)を高める「顧客生涯価値(LTV・ライフ・タイム・バリュー)」の取り組みをを実施している。その結果、囲い込んだ顧客に、強みである顧客提供価値を高めた施策を持続的に実施し、顧客満足度を高められている。 ⑤一体感のある現場運営力 丸源ラーメンは店に清潔感があり飲食店基本の衛生管理が徹底されており、快適な雰囲気の中で美味しく食事ができる。店に清潔感があり、快適な雰囲気の中で食べられる。Q(品質)S(サービス)C(クリンリネス)は飲食店にとって最も大切な管理項目であり、徹底しなければ顧客離反の元凶となるが、全く問題なく徹底されている。 「店は人なり」は労働集約型の産業である外食では強く意識しなければならない。人の良し悪しで、同じ看板・同じ商品・同じ運営マニュアルを使用しても、マーケット指数の差は別として業績に明確な差が出るものである。特に店長の仕事に対する姿勢や熱意・手腕・人格で各店に差がつくものだ。店の雰囲気やお客さんに向かっていく姿勢は本部から店を任せられている店長次第で大きく変わる。