【羽生結弦さん、語る(1)】節目の30歳 最善を尽くす今の先に「未来はもっともっと良くもなる」
フィギュアスケート男子で五輪2連覇し、プロとして活動する羽生結弦さんが30歳の誕生日を迎えた7日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで新たな単独公演「Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd “Echoes of Life” TOUR」をスタートさせた。多くの新曲を含む本編12曲、アンコール3曲の計15曲を熱演し、1万4000人の観客をとりこにした。以下は公演終了後の一問一答。 【写真】<Echoes of Life埼玉公演第1日>演技をする羽生結弦さん(撮影・小海途 良幹) ――初日を無事終え、率直な気持ちは。 「とうとう開幕したなという感じが一番強いです。本当にたくさん緊張しましたし、もちろん凄く時間をかけて毎日毎日トレーニングも練習も積んで来ましたけども、やはり本番になってみて皆さんの前で滑ってみないと分からない“成功なのか、失敗なのか”みたいなところもあったので、正直、とうとう始まったなという気持ちと、まずは初日ケガなくストーリーとして完結できて良かったなという気持ちでいます」 ――「生きる」がテーマの一つ。そこに込めた思いは。 「元々、自分が生命倫理っていうものを小さい頃からいろいろ考えたり、または大学で履修したりしていく中で、生きるということの哲学について凄い興味を持っていました。そこから、ずっと自分の中でぐるぐるとしていた思考であったりとか、理論であったりとか、そういったものを勉強し直して。皆さんの中にも、この世の中だからこそ生きるということについて、皆さんなりの答えが出せるような、哲学ができるような公演にしたいと思ってEchoes of Lifeをつづりました」 ――ファンから祝福された中で30歳を迎えた。 「30歳になるんだなぁっていう気持ちと。今、30歳と言われて“あ、30歳かぁ”って思ったんですけど(笑い)。自分が幼い頃からずっと思っていた30代っていうものと、今現在自分が感じているこの体の感覚や精神状態を含めると全然想像と違ってたなって思いますし。まだまだやれるなっていう気持ちでいます。Echoesの中でも、未来って何?とか、過去って何?みたいなことがありますけど、未来は自分が想像しているよりももっともっと良くもなるし。今ということの中で最善を尽くしていくことで、自分の中で“30っておっさんじゃん”って思っていた頃とは違った30代を迎えることができたなって何となく思っています」 ――改めて30歳の抱負を。 「フィギュアスケート年齢としては、劣化していくんだろうなっていう漠然としたイメージがあったんですけど。例えば野球とかサッカーとかに置き換えて考えてみたら、これからやっとその経験とか、自分の感覚であったり、技術だったりとかが脂が乗ってくる時期だと思うので、自分自身の未来に、それこそ希望を持って、絶対にチャンスをつかむんだっていう気持ちを常に持ちながら、練習もトレーニングも本番も臨みたいなと思います」