青野未来 フルタイムの連戦と総当たりリーグ戦を経てホンモノのレスラーに!
【WEEKEND女子プロレス#35】
アクトレスガールズを退団し、新団体マリーゴールドに移籍した青野未来。それはつまり、プロレスラーへの本格復帰にほかならない。彼女はもともと芸能活動からプロレスに入っており、2012年には主演映画『ナナとカオル 第2章』が劇場公開もされている。 【写真ギャラリー】マリーゴールド初代ユナイテッド・ナショナル王者・青野未来(写真:新井宏) また、ラジオパーソナリティーとしての顔も持ち、プロレスデビューの17年には、同じ年に開局の埼玉県のコミュニティーFM「発するFM」へ。プロレスに正式復帰した現在も番組を続けており、毎週水曜日の「午後は発する」で12時から2時間にわたり、彼女の声を聞くことができるのである。 「私がプロレスラーであることは(アクトレス時代から)番組内でも話しています。(プロレス)ファンの方がメッセージを送ってくださると、プロレスの話にもなるので。マリーゴールドに移ってからの反響もありましたね。マリーゴールドに入ってから(ラジオでの)私を知ってくださった方も多いです」 21年末にプロレス団体としての活動を停止したアクトレスガールズ。退団してプロレス集中を選んだ選手が多いなか、青野は迷いに迷った末、残留を選んだ。 「あのとき、実は私もやめますと話していたんです。ただそのとき、私がやめたらアクトレス自体もやめると言われてしまって。良く言えば、そこまで言ってもらえるんだとも思ったし、自分のせいでアクトレスがなくなるなんて嫌だし…。たとえ出ていったとしても、フリーでプロレスをしていく自分があまり想像できなかったんですね。他団体でというのも想像できなかった。私はアクトレスに育ててもらった身でもあるので、新しい形でやっていくというアクトレスガールズで頑張ってみようと思って、悩んだなかでの決断でした」 それはちょうど、AWGタッグのベルトも巻きプロレスに対する欲も大きくなっていた頃。プロレスラーでやっていきたい思いもあったなか、プロレス団体ではない新生アクトレスガールズで、青野はシングル王者になった。団体のトップに立ったのである。と同時に、それはまた葛藤の日々でもあった。 「プロレスではないアクトレスの魅力をどう伝えたらいいのか、というところにすごく悩んでいました。チャンピオンになったとはいえ、プロレスからは鎖国している感じだし、あくまでもアクトレスのなかでの王者という感じですね。だからといって、ほかの団体にすごく劣っているとは思っていませんでした。ほかとは違うけど、ここのなかでの闘いからつかみ取ったものだという自負はあります」 しかし、頂点の座に就いたからこそ、次はなにをめざすべきなのか、との疑問が沸いてきた。 「アクトレスではもうやることがなくなってしまったんじゃないかと感じたのが大きいですね。ただ、そこでプロレスに行こうとの気持ちはありませんでした。アクトレスをいつやめるか考えたら、それはもう引退だったんです。確かにプロレスへの未練もあったんですけど、アクトレスをやめたら(プロレスも含め)引退しようと思ったんです」 リング引退後も、芸能活動は続けるつもりでいた。ところが、青野は正式にプロレスに戻る決意を固める。そのきっかけとは? 「これはもう、ご縁ですね。風香さんと(ロッシー)小川さんの関係があって、そこで最初に提案していただいたのが、アクトレスとのダブル所属という形でした」