「お前じゃ使えない」「税金泥棒」は日常的、電話の半数は「罵声」の部署も…都内42区市町でカスハラ被害
「お前じゃ使えない」「税金泥棒」などと言われるのはざらだ。電話が長時間に及び、お昼休みがつぶれることもあるが、男性職員は「不満を残したままだと、かえって問題が長引く。話を聞き続けるしかない」と諦めの表情で語った。
多摩地域の自治体で、マイナンバーカードに関わる業務を担当している60歳代の女性職員は、「カードの暗証番号を忘れたので初期化してほしい」と窓口を訪ねてきた50歳代くらいの男性が忘れられない。
初期化に必要な別の身分証明書の提示を求めたが、男性は持参していなかった。「本日は対応できない」と伝えた直後、男性は「殺すぞ」とすごみ、席を立った。
マイナンバーカードの手続きは分かりづらいことも多く、窓口を訪ねてきた時点でいら立っている市民もいる。暴言を吐かれることも度々だ。女性職員は「普通に接しているのに、どうしてこんな言葉を言われなければいけないのかと思うこともある。行き場のない怒りをぶつけるのはやめてほしい」と訴えた。