「ギリギリで焦った」……女性の“トイレ行列”改善するには? 個室利用は長時間化ナゼ 籠城の問題も【#みんなのギモン】
■研究家に聞く…利用時間増の背景は?
加納解説委員 「トイレ研究家の白倉正子さんによると、和式の時代は体勢がつらいので、自ずと利用時間は短かったのですが、今は洋式で温水洗浄便座もあり、自然と利用時間が延びています。さらに、スマホが普及してトイレで使っている人もいるということです」 「昔よりもトイレがきれいで、快適な空間になっていることが背景にあるのではないかと、白倉さんは指摘しています」
■新たな問題も…問われるモラル
加納解説委員 「それに伴って、こんな問題も起きています。トイレに籠城する人がいることです。個室内のコンセントを使ってスマホを充電してゲームをしたり、ヘアアイロンを使っていたり」 「いびきが聞こえた、コンビニのおにぎりを食べたと思しきのりの破片やゴミが落ちていた、という声もあります」 河出奈都美アナウンサー 「用を足す以外の目的で使うのは良くないなと思いますが、籠城とまでは言わないまでも、トイレの行列に並んでいると、トイレ待ち疲れをしてしまって、いざ自分が個室に入れた時に『ちょっと疲れた』と、若干利用時間が長くなってしまうところは反省しています」 加納解説委員 「ちょっとホッとしちゃうんですよね。こうした籠城はモラルの問題ですから、一人ひとりが意識を変える必要があります」
■混雑解消には男性用の 1.5倍は必要
加納解説委員 「次に、トイレの数が足りていないのか、という点について見ていきます。NEXCO中日本がサービスエリアで行った調査では、平均的なトイレの利用時間は 1回につき男性は 37.7秒、女性は93.1秒でした」 「これは本来の目的で使った場合の時間で、だいたいこれくらいの時間がトイレ業界の基準とされています。単純にトイレの面積や便器の数が同じなら、女性用が混むのは明白。女性用を男性用の少なくとも 1.5倍は設置しないと混雑は解消されない、というわけです」
■国が定めた職場トイレの基準は?
「これを踏まえて、職場のトイレをどのくらい設置すべきかという国の基準を見てみます。厚生労働省によると、男女それぞれ 65人が働いている職場の場合、男性の大は2つ、小は3つ。女性用は4つです。これ、どうですか?」 刈川くるみキャスター 「実際の現場のデータでも、女性は男性の倍近くの時間がかかると出ているので、この国の基準のままだと不便だな、納得できないなと思います」