画面いっぱいのSOS「もう、試合に出たくない」/中島啓太インタビュー <前編>
力感を抑えたスイングへ 「これなら、また試合ができる」
約1カ月ぶりの試合は予選落ちに終わったが、得たものは大きかった。 「“痛くない振り感”でやることをテーマにしたら、意外とそのスイングが悪くなかった。インドで勝ったときのヘッドスピードが120~122mph(約53.6~54.5m/s)で、スペインで良い力感で振ったら117mph(約52.3m/s)と悪くない数字。ボールスピードも出ているしバランスが良くて、錬さんも『今の球なら安心して見ていられる』って。『このくらいの力感で良いんだ。これなら、試合ができる』と手ごたえがあった」。―また戦える――。今度は自信を取り戻して帰国した。 日本オープンを6位で終えたときには、「最後までやる。最終戦のドバイまで進みたい」と気持ちはすっかり上向いた。 54位まで後退していたポイントランクは、10月「ジェネシス選手権」の27位で51位に浮上。トップ70が出場する「アブダビ選手権」は13位で終えて、最終戦出場圏内の47位に滑り込んだ。 「欧州での最後2戦を良い形で終われて、ポジティブに2025年に入れると思う。ことしは日本の試合を入れて21試合しか出られなかったけど、来年は27試合くらいを目標に。妥協しないチームが支えてくれるので、試合数をたくさんこなせば、もっと良いパフォーマンスも出せると思う」 1年後、再びドバイで大歓声に包まれる自分を想像した。 (後編へ)