ロシアのパラリンピック参加を嘆願する30万人署名とプーチンの反撃
IPC(国際パラリンピック委員会)が、今月7日に下した「国ぐるみのドーピングを理由に、ロシアパラリンピック団のリオデジャネイロパラリンピックへの出場を認めない」という決断が波紋を広げている。 ロシア選手団は、取り消しをスポーツ仲裁裁判所に求めたが、これを退ける裁定が出され、ロシアパラリンピック団の全面除外が事実上決まると、各国メディアも続々と、この問題に関する報道を続けている。 CNN電子版は、IPCからロシアパラリンピック団の出場を認めないと発表があった直後から、ロシアパラリンピックの選手たちを、個人としてリオ大会へ出場させてほしいと嘆願する電子署名が始まっていると伝えた。すでに30万人以上の署名が集まっているという。 CNN電子版は続けて、ロシアの聴覚障害者団体や身体障害者団体が、IPCに公開書面を提出して、今回の決定に抗議したと報道。この公開書面に携わった人は、CNNの取材に対し、「私にはパラリンピアンの友達が大勢いる。みんな大きなショックを受けて、話すことさえできない。パラリンピックは国のためでなく、政治のためでなく、人々のためのものです。これは正義でなく、正しくもない」と訴えた。 ロシアのプーチン大統領も、パラリンピックへの出場禁止処置に猛反発。さっそく、世界中のメディアが、そのプーチン大統領の反撃を伝えた。 英国BBCは、プーチン大統領が「法によってではなく、倫理的でもなく、非人間的な決定だ」と批難したと伝え、同大統領はリオデジャネイロ五輪のメダリストをクレムリンに招いて表彰式を開き、その席でロシアのパラリンピック団のために国内の競技会を開催すると発言。その競技会での勝者はリオでの勝者と同等の賞を与えると話したことを報道した。 ニューズウィーク誌電子版も、「プーチン大統領が自国で独自のパラリンピックを開催する計画を披露した」という見出しで報じた。同誌によると、プーチン大統領は25日にテレビで声明を発表。「私たちのパラリンピアンに話したい。我々はあなた方をサポートし、あなた方の技術を見せることができるよう特別な大会を組織する。勝者への賞はパラリンピックと同じものである」などと述べたという。