ロシアのパラリンピック参加を嘆願する30万人署名とプーチンの反撃
ニューヨークタイムズ紙は、ロシアが、ロシアのドーピング検査機関元所長のグリゴリー・ロドチェンコ元所長の土地を差し押さえたことなどを報じた。同紙は5月に「ロドチェンコ元所長が国ぐるみでドーピングをしていた」という証言を掲載していた。 同紙は、この問題に関するロシアの新聞報道を紹介し、コムソモーリスカヤ・プラウダ紙が「冷戦の第2フレーズがロシアに対して宣言された」と表現している、と伝えた。 日刊新聞のイズベスチャ紙ではコラムニストが「ロシアのアスリートを排除することはナチスドイツの政策が、スラブ族、ジプシー、ジューイッシュ、精神的ハンディキャップ、身体障害者に向かったことを思い出させるものだ」と書いたという。 同紙はロシアの国営テレビの様子も書いている。ハンディキャップを持つアスリートが涙を流しながらインタビューに応じる映像と、最も弱い立場にある市民にとって非道な仕打ちであると憤慨するコメントであふれていると報じた。また、ロシア1というトークショー番組では、ロシア当局も、これほど長い間ドーピング問題を放置していたのだから責めを負わなければいけない部分もあるという意見が出たが、今回の決定に憤慨する意見がこれを遮ったという。 各国際競技団体へロシア選手の出場の可否を一任したIOCと違い、IPCが全面出場禁止を打ち出したことへの国際社会の賛否はあるが、ロシアのパラリンピック参加禁止処置に関する波紋は、今後も、政治を巻き込んだ形で、まだまだ広がりそうだ。