子どもの宿題、親はどこまで面倒をみるべき? 北陽・虻川美穂子のジレンマ
周囲に甘えて、人を巻き込んで、頼っていくことが大事
――パートナーとともに子どもを育てる中で、大切にしていることはありますか。 虻川美穂子: 言いたいことは言うようにしているかな。子どもと一緒にいる時間は私のほうが多くなりがちで、そうなると「自分ばかりが苦しみを抱えている」という気持ちになってしまう。だからこそ、言いたいことは言って、助けてもらうところは助けてもらってやっていかないと、だんだんと立ち行かなくなっていきますよね。 これは私の経験ですが、実際にSOSを出してみると、意外と助けてくれるんですよ。そのときに、自分自身の中にも「私は母親だから、ひとりでなんとかするべき」という意識が働いていたことに気づいたというか。よく考えてみれば、母親だって子育てのプロではなくて、ほとんどが初めてのことだらけなわけじゃないですか。そういった子育てに関する思い込みを手放す意味でも、パートナーと話し合う機会を持つのは大切だと思います。 ――虻川さんと同じように、子育てを頑張っている皆さんに伝えたいことはありますか。 虻川美穂子: もっと頼ったり、頼られたりしていこうと伝えたいですね。 以前、子育ての先生が「親や近所をはじめとして、いろんな人の力を借りて子育てをしていた昔と違って、今は親と子の1対1の子育てが当たり前になってしまっているから苦しいんだよ」とお話ししてくださって、本当にそうだなって思ったんです。 とくに私の世代は「女性も頑張っていこう」という意識が強いんじゃないかな。だから、頑張ることに慣れすぎて、人に頼ることをあまり得意としていないのかもしれない。だけど、子育ては一人でできることが限られていますからね。人をできるだけ巻き込んで、甘えていこうということは自戒を込めて伝えていきたいですね。 ----- 虻川美穂子 お笑いタレント 埼玉県出身。1995年に同じ高校のソフトボール部で出会った伊藤さおりとお笑いコンビ「北陽」を結成。2001年にはフジテレビ「はねるのトびら」のメンバーに抜擢され、人気を博す。2010年にイタリア料理の有名シェフと結婚し、現在は1児の母として、子育てに関する情報を発信するなど、各方面で活躍している。 文・佐々木ののか 制作協力:BitStar (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました)