東静岡アリーナ 2030年春開業目標…静岡市の難波市長「盛り上がるためにはいい施設が必要」
静岡市が、JR東静岡駅北側の市有地で整備を目指す多目的アリーナにこのほど進展があった。難波喬司市長(68)が10月25日の会見で基本計画案を発表し、同26日にはB2ベルテックス静岡による学生との意見交換会に参加して、新しい施設の必要性を言及した。 地元住民への説明会などを経て、難波市長からアリーナの“骨格”が明かされた。計画案は〈1〉開業目標は2030年春〈2〉座席数はプロスポーツや音楽イベントに対応できる8000席以上〈3〉アリーナと東静岡駅、静岡鉄道の長沼駅をデッキでつなぎ、歩行者と車を分ける〈4〉災害時に避難できる防災機能を備える〈5〉概算整備費は300億円で、施設を整備・運営する民間事業者が一部を負担する「BTコンセッション方式」を採用。ベルテックスのホームアリーナとなる見通しで、会見ではBリーグの盛り上がりに伴い、佐賀や沖縄などに建設された大規模アリーナなどの例を挙げながら、新幹線への乗り継ぎも含めたアクセスの良さを強調した。 難波市長は翌26日、ベルテックスの運営会社が「THINK SHIZUOKA」とうたい、多角的に静岡の未来を考える活動の報告会に参加。静岡市中央体育館での試合前、学生らの提案に感想を述べるなか、アリーナについては「(開場50年以上の)中央体育館は、基本は『体を育てる』施設。ベルテックスが“アリーナ風”にして無理やり盛り上げて、みんな盛り上がっている(笑い)。だけど、盛り上がるためにはいい施設が必要。アクセスがよくて、気軽に行ける所に造ります」と、冗談を交えながらも断言した。 今後、市側は29日まで市民らの意見を集め、今年度内に基本計画を決定。事業者の募集を経て、26年度に着工する予定。 〇…県内では他に新たなスポーツ施設として、浜松市の県営野球場、JR清水駅付近の新スタジアムの建設構想がある。浜松市の篠原地区で計画される球場は、7月にドーム型を含む3案を併記した基本計画が公表されたが、市民団体から反対運動も起こっている。スタジアムは、J2清水の本拠地・アイスタが老朽化しており、改修よりも駅から近い場所で商業施設と合わせた開発を検討している。
報知新聞社