新庄監督からDM、大谷翔平に「ありがとう」のメッセージを送ると...鍵谷陽平が明かす引退セレモニーの舞台裏
── そのとおりの結果になりました。 鍵谷 スコアラーの方とも、対小郷選手用のミーティングをしていました。最後はツーシームで打ち取ろうというシナリオを考えて、実際そのとおりになったので、「よしっ!」と。 ── 完璧だったと。 鍵谷 あと練習中に松本剛としゃべっていたんですけど、「投げ終わったらセンターからオレのところまで走ってこい」って言ったら、「行きます、行きます」って(笑)。後ろを見たらもう、セカンドベースぐらいまで来ていたんですよ。「剛、本当に来たわ」と思って、何気にベンチを見たら、新庄さんが人差し指をスッと立てていたんですよ。「もうひとり」のポーズで。「うわ、やべぇ。全然考えてなかった。でも、しょうがないか」と割りきって、もう田宮(裕涼)に任せて投げようと思いました。 ── 2番バッターに関しては予習してなかったと。 鍵谷 でも小深田(大翔)くんは対戦したことがあったので、大体のイメージというか、雰囲気はわかっていました。 ── スリーボールになってドキドキしました。 鍵谷 ドキドキしましたね。インハイに投げたスライダーが抜けたんです。「うわ、スライダー抜けた」と思って、「最後は真っすぐ、ど真ん中。ヒットだったらしょうがない」と開き直って、ど真ん中に投げました。 ── しっかり差し込めていたし、ボールも強かったように思いました。 鍵谷 引退試合の真っすぐの感じだと、ある程度押し込めるという自信があったので、多少甘くなってもいいと、大胆に投げることができました。センター前に抜けるかなと思ったんですけど、結果、ショートへのハーフライナーだったので差し込めていましたね。2アウトになったので、もしかしたら......とも思ったのですが、今度こそ新庄さんが出てきて、「よかった~」と(笑)。 ── ホッとしますよね。 鍵谷 それまで新庄さんとは会話もほとんど交わしたことがないし、あいさつ程度だけだったんです。でも試合前にあいさつに行った時に声をかけてくださったり、セレモニーが終わったあとも声をかけてくださったりして、本当にいい方だなというか、温かい方だなと思いました。ほんと感謝しています。