新庄監督からDM、大谷翔平に「ありがとう」のメッセージを送ると...鍵谷陽平が明かす引退セレモニーの舞台裏
── 最後の登板で、しかも先発、さらにはマウンドもまっさら! 鍵谷 ファームのオープン戦でオイシックスとやった時もエスコンのマウンドに上ったんですけど、今回は満員だったこともあって、全然違いました。大事な試合だというのもありましたし、「うわ~、気持ちいいな」と思いながら、でもまったく緊張しなくて......野球人生で一番緊張しなかったです。 ── ほんとですか? 鍵谷 緊張はしなかったですけど、集中はしていました。音は遮断されてるけど、会話は聞こえるみたいな。だから精神状態も含めて、すごくいい状態で投げられたのかなと思います。 【打者ひとりのつもりが...】 ── 楽天の先頭打者の小郷(裕哉)選手に対して初球147キロをマークしました。あとで聞いたのですが、「なんで150出なかったんだろう?」って思ったそうですね(笑)。 鍵谷 そうです(笑)。引退が決まったというのもあって、コンスタントに登板の機会があったんですよ。そしたら状態が上がってきたんです。鎌ヶ谷でも引退登板があったし、「これ、エスコンだったら150キロ出るんじゃないか」と本気で思っていました。でも、自分のなかで多少の自制心が働いたというか。フォアボールは絶対ダメだから、「初球はしっかりストライクを取らなくちゃ」と思ったんです。その微妙な自制が、あと3キロ出なかったのかもしれないです。 ── 引退試合でしたが、どうやって抑えるかというミーティングをやったんですよね。 鍵谷 やりました。球場に着いて、打者1人って言われていたので、だったら小郷選手だよねとなって。(伏見)寅威がその時、腰痛で外れていて比較的時間があったので、「寅威、小郷選手ってどう?」と聞いたら、けっこう早打ちするみたいで「打ってくるんじゃない?」と。打ってこないじゃなく、打ってくる想定で考えようとなって、だったら初球はツーシームでセカンドゴロもあるなと。でも、「さすがに引退試合だから初球は打たないよね」となって、「じゃあ真っすぐでいって、2球目にツーシームでセカンドゴロに打ち取ろう」と。