汗をかくと大腸が「砂漠化」する 水分を摂っても大腸に届くのはわずか10%。「水溶性食物繊維」を含む食品で対策を!
大量の汗をかく夏は、水分不足により「大腸の砂漠化」が発生しやすくなります。便秘をはじめとしたさまざまな悪影響が生じる恐れがあるため、食事で対策するのがおすすめです。九州大学で海藻の健康作用を研究する宮義之准教授によると、大腸の砂漠化対策で特に効果的なのは、海藻類などに含まれる「水溶性食物繊維」だといいます。 【写真】大腸の砂漠化の原因は… * * * * * * * ◆「大腸の砂漠化」とは? 大量の汗をかくことで、大腸の中がカラカラに乾いてしまう現象を「大腸の砂漠化」といいます。 大腸が砂漠化すると、便秘や食欲低下、免疫力の低下といった全身の不調につながる可能性があり、対策が必要です。 ただし、ただ水分を取ればいいというわけではありません。水分を摂取しても、90%は小腸で吸収されてしまい、大腸に届くのはわずか10%だからです。 特に夏場は汗をかくので、大腸に届く水分量はさらに少なくなります。 また、成人が1日に必要な水分は約2.5Lですが、そのうち水などから得られる水分は約1.5Lで、残りの水分は食事などから得ているといわれています。 そのため、夏バテなどで食事量や回数が減ると、その分摂取する水分量も減ってしまうのです。
◆水溶性食物繊維で対策を 大腸の砂漠化対策には、こまめな水分補給に加えて「水溶性食物繊維」の摂取がポイントです。 水溶性食物繊維は小腸では消化されず、また水に溶けてゲル化する性質があります。 そのため、摂取することにより便にうるおいをもたらし、腸内環境を整える効果が期待できます。 水溶性食物繊維を含む食品にはきのこ類や豆類、ごぼうなどがありますが、特におすすめなのは海藻類です。 宮准教授によると、海藻類には「フコイダン」や「アルギン酸」といった複数の水溶性食物繊維が含まれていて、より効率的に大腸の砂漠化対策ができるといいます。 加えて、海藻類はさっぱりした味わいなので、暑さで今ひとつ食欲がないときでも食べやすい食品です。
宮﨑義之,「婦人公論.jp」編集部