元阪神ロハスJr.の昇給再契約に隠れた「苦い現実」 韓国紙が嘆く日韓両球界の“差”「認めたくないが認めざるを得ない」
注目を集めた助っ人の動向は、「残留」という形で決着を見た。現地時間12月3日にKBO(韓国プロ野球)リーグのKTウィズは、契約満了を迎えていたメル・ロハスJr.と1年180万ドル(約2億7720万円)で再契約に至った。 【動画】逆方向への圧巻アーチ! 元阪神ロハスJr.の貫録弾 必然の年俸アップだ。今季は全144試合に出場して打率.329、32本塁打112打点、OPS.989の好成績を残したロハスJr.。シーズン終了後には、NPB球団を含めた日米韓3か国による争奪戦が伝えられたが、最終的に愛着のあるKTウィズでのプレー続行を決めた。 もっとも、今回の再契約には韓国国内ではシビアな声もある。日刊紙『朝鮮日報』は、ロハスJr.の韓国球界残留を受け、「野球で良い結果を出せば、良い扱いを受ける。それはプロの世界で当たり前だ」と指摘。24年シーズンの年俸90万ドル(約1億3860万円)からの昇給を伝えた上で、「ロハスJr.の“大当たり”の後ろに隠された苦い現実がある。日韓の両球界に生じたレベルの差だ」と嘆いた。 嘆かれるのも無理はない。ロハスJr.はKBOリーグMVPとなった20年のオフに阪神へ電撃移籍。大物助っ人の加入に虎党の期待は膨らんだが、蓋を開けてみれば、通算打率.220、17本塁打、48打点、OPS.697と成績は低迷。「日本の投手は絶対にストライクは投げない。球を散らして真っ向勝負をしない」とボールゾーンを駆使した勝負に対応しきれずに苦心した。 日本で苦しんだロハスJr.の再ブレイクを受け、「ロハスJr.の再契約はKBOリーグの“素顔”を晒す出来事かもしれない」と指摘。「それは日本で失敗した選手が韓国であまりにも簡単にリーグを席巻してしまうため、両国の野球のレベル差を示す象徴的な事例になるからだ」と憂いた。 「コロナウイルスの蔓延による余波もあって適応に苦労した面はあったし、失敗に至った原因はいくつかあるだろう。しかし、結局は実力不足だ。先発ローテの1、2番手などA級の投手たちの能力値は似ているかもしれないが、日本はそうではない投手たちの球威や制球に大きな差はない。かたや韓国はそうではないのが現実なのだ。日本の野球が韓国より優れていることは、昔からずっと続いてきた、認めたくないが認めざるを得ない事実だ」 助っ人の実力から浮かび上がった日韓両球界の「差」。そこを論じる同紙は「選手の年俸は青天井で上がり、観客数も増えているが、パフォーマンスはますます低下しているというのが現場の冷静な認識だ」と嘆きっぱなしだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]