中国11月CPI、5カ月ぶりの低い伸び PPIも下落
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は、5カ月ぶりの低い伸びを記録し、生産者物価も引き続き下落した。景気対策の効果が限定的であることが浮き彫りになった。 11月のCPIは前年比0.2%上昇し、10月の0.3%から伸びが鈍化した。エコノミストは伸び率が0.5%に加速すると見込んでいた。 前月比では0.6%下落。10月は0.3%下落、予想は0.4%下落だった。 国家統計局は前月比の下落ペースが加速したことについて、天候要因で食品価格が2.7%下落したことが主因だと説明。 11月の中国全土の平均気温は比較可能な統計がある1961年以降で最高で、これが農産物の生産・輸送を下支えする要因となり、食品価格が下落した。 変動の大きい食品と燃料価格を除いたコアインフレ率は、10月の0.2%から11月は0.3%に加速した。 11月の生産者物価指数(PPI)は前年比2.5%下落。10月は2.9%下落、予想は2.8%下落だった。26カ月連続の下落となった。 キャピタル・エコノミクスのアシスタントエコノミスト、ガブリエル・ウン氏は「コアインフレ率は小幅に加速し、PPIのデフレは緩和した。刺激策が基調的な価格圧力をある程度まで支えているようだ。だがそれでも、来年以降は過剰設備がインフレを抑制するだろう」と述べた。 家計支出は自動車や家電製品関連の補助金に支えられ、ここ数カ月は予想を上回る伸びを見せているが、中国の景気回復にとっては依然として十分ではない。 中国政府は先月、地方政府の債務対策として10兆元(1兆3700億ドル)を投じると発表した。 政府顧問は来年の経済成長目標を4.5─5.5%とすることを中央経済工作会議で提案する見通し。 フィッチ・レーティングスは9日、米国が対中関税をさらに引き上げるリスクがあるとして、中国の来年の経済成長予測を4.5%から4.3%に、2026年の予測を4.3%から4.0%にそれぞれ下方修正した。