まるで大谷のような構え!来秋ドラフト候補生の横浜・阿部は野球センスの塊【この秋輝いた球児たち】
明治神宮大会に出場したチームのなかで、ひときわ光を放った野手がいた。すでに来年のドラフト候補として名前が挙がっている横浜(関東・神奈川)の不動の1番打者・阿部 葉太外野手(2年)。1年夏から横浜でレギュラー。2年夏前から異例の「2年生主将」としてチームを引っ張ってきた。明治神宮大会優勝の立役者でもある。 阿部の関東、明治神宮大会の成績 左打席に入った構えから、センスを感じる。体幹の良さを感じさせる背筋がスッとした姿勢で、バットを構える。「誰かになんか似ているな」と、思ってみていると、そう、ドジャースで活躍する大谷 翔平選手にそっくり。グリップの位置や、打席のなかで投手をみる顔の向け方、そして投球に合わせて、右足を「すり足」でステップする。スイングもややアッパー気味な部分も似ている。 明治神宮大会では初戦こそ無安打だったが、準決勝で同じくドラフト候補として名前が挙がっている東洋大姫路(近畿・兵庫)・阪下 漣投手(2年)との対決で、5回に大会初安打、初打点となる右前適時打を放った。低めの難しい変化球だったが、見事にミートして強いゴロで一、二塁間を破っていった。7回には外角低めの直球を長いリーチを生かして、逆方向へ逆らわず打ち返し、左前へ安打を放った。「ドラフト候補生対決」で、1、2打席目は打ち取られたが、3、4打席目は「連打」して、チームを勝利に導いた。 関東大会、明治神宮大会の6試合で27回打席に入ったが、三振は東洋大姫路の阪下に許した1個だけ。それも外角直球への対応で、ハーフスイングを取られた末の三振だった。ミート力には自信があるのだろう。やはりただものではない。 関東大会では打率4割を超え、明治神宮大会では3割を超えた。今年の夏の神奈川大会では27打数14安打で打率5割を超えた。スイングからみて、長打も十分狙える。センターの守備範囲も広く、走攻守そろった大型外野手として、これからどこまで成長するか楽しみだ。