20球団以上の争奪戦 佐々木狂騒曲が白熱する“事情” 121敗を喫した弱小球団関係者が漏らした本音「あの価格で獲得できるのだから…」
ホワイトソックスは日米を知るレジェンドを頼りに?
ケラーGM特別補佐の言う「あの価格で獲得できるチャンスがあるのだから」は、中小市場を持つ球団にとっての“本音”だろう。 日米の違いはあれど、プロで5年のキャリアを重ね、相手打者を翻弄してきた実績を持つ投手を“安価”で獲得できる点は魅力。NPBで規定投球回達成未経験という耐久性への懸念はあるが、それを差し引いても余りあるポテンシャルを持つ投手が、ボーナスプールの使用が必要となる国際FA市場に出てくる機会はそうそうない。ゆえに争奪戦は熱を帯びていると言えよう もっとも、再建期にあるホワイトソックスが、どう佐々木側にアプローチをするかは興味深いところだ。単純に「勝てる」という面では、獲得が囁かれるドジャースやヤンキース、メッツ、パドレスと比べると見劣りする。 MLB公式サイトのホワイトソックス番を務めるスコット・マーキン記者は、「ササキが加われば、再建途中のチームにとって大きなプラスとなる」と断言。続けざまに「ホワイトソックス、そしてササキと共通の繋がりがある」として元ロッテの井口資仁氏の名を挙げた。 たしかに井口氏は佐々木との結びつきは深い。2019年にプロ入りした際にロッテを指揮していた同氏は、しっかりとした綿密に組まれた育成プランを遂行。超逸材を慎重かつ丁寧に扱い続け、その後の飛躍の足掛かりを生んだ。 2005年に達成したホワイトソックスの世界一の優勝メンバーでもある井口氏だけに、マーキン記者は、何らかの橋渡し役としての貢献を期待するのかもしれない。「イグチは、メディア業界で活動をしているこの2、3年、アリゾナ州グレンデールで行われているホワイトソックスの春季キャンプを訪れており、球団関係者からの評価は依然として高く、信頼されている」と記している。 実際に井口氏が介入する余地があるかは不透明だが、「信頼が厚い」というホワイトソックスが交渉において、レジェンドを頼りにする可能性はゼロではないだろう。 自身の夢であったMLBでのキャリアをどこでスタートさせるのか。日本時間で来年1月24日の午前7時までに下される佐々木の決断への関心は尽きない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]