副作用は大丈夫? 喘息・アレルギーで使用する「ステロイド薬」の治療効果も医師が解説
喘息治療のステロイド薬の注意点 子供(小児)も使える? 妊婦も使用可能?
編集部: 喘息の治療でステロイド薬を使用する際の注意点は? 尾上先生: 喘息の薬では吸入タイプを用いますが、吸入ステロイドが口の中に残るとカンジダというカビが増えやすくなります。吸入後は必ずうがいをすれば、カンジダを予防することが可能です。 編集部: ほかには? 尾上先生: 吸入ステロイドは正しく使用するのが案外難しく、自分では正しく使っているつもりでも実はきちんと吸入できていないケースも少なくありません。 「使用しても効果が見られない」という場合は使い方を医師に確認してもらいましょう。また、重複しますが、自己判断で使用を中断するのも危険です。必ず医師の指示に従いましょう。 編集部: 妊婦でも使用できるのですか? 尾上先生: 吸入ステロイド薬は、胎児や母体に対して影響は少ないことが明らかになっています。むしろお母さんに喘息の発作が起きると、胎児が低酸素状態になり、重大な影響を及ぼすことがあります。 妊娠を希望している、あるいは妊娠が判明した場合は、喘息の治療について必ず医師と相談しましょう。 編集部: 子どもの場合はどうですか? 尾上先生: 子どもでも重症度に応じて吸入ステロイド薬を使用することができますし、用法用量を守れば安全です。しかし「使用後にはうがいをする」など正しい使い方をすることが必要なので、お父さんお母さんが管理するようにしましょう。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあれば。 尾上先生: ステロイドと聞くと「副作用が心配」という人も多いかもしれません。しかし、ステロイドは非常に大きな効果が期待できる薬であり、用法用量を守ればとても有効な治療方法です。 ステロイドの治療効果を最大限発揮するために大切なのは、自己判断で中断しないこと。治療中に不安なことがあれば必ず主治医と相談してください。
編集部まとめ
ステロイド薬にはさまざまな種類があり、どの薬が自分に適しているかは、症状などによって異なります。市販されているステロイド薬もありますが、自己判断で選ばず、必ず医師に処方してもらう方が安心して使用できるでしょう。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
【この記事の監修医師】 尾上 林太郎 先生(横浜フロントクリニック) 20013年聖マリアンナ医科大学医学部卒業、4月より同大学病院研修医。2015年同大学呼吸器内科診療助手、同大学内科(呼吸器)大学院、2019年同大学院修了、同大学病院呼吸器内科学助教。2021年三浦メディカルクリニック勤務。2024年5月横浜フロントクリニック院長就任。医学博士、日本内科学会認定内科医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)、難病法における難病指定医(呼吸器)。
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