取り扱いサロン6000店舗突破 サロンと一般流通の双方で躍進する「シンピュルテ」の流通戦略
谷口:「シンピュルテ」の取り組みとしてヘアケアアイテムはサロンで、スキンケアなどは直営店で、というのは良い取り組みだと思っています。サロンで「シン ピュルテ」を知ったお客さまがセミセルフショップでスキンケアを購入したという報告を受けることもあります。そして「ヘアオイルは売ってなかったんです」と聞くこともあって、ヘアケアはサロンでプロの手から購入してもらうことができるのはありがたいです。また「シンピュルテ」を紹介するときに、「実はスキンケアもあるんですよ」とお話しすると興味を持ってくださることも多いんです。商品がオイルだけだとアプローチしにくいですが、ビューティに力を入れているブランドとして切り口がたくさんあるので話のネタがつきません。
WWD:一般流通もあることがブランドの魅力になっている?
谷口:そう思います。私は「シンピュルテ」のシートマスクが大のお気に入りなのですが、お客さまにはプレゼントや自分へのご褒美にお勧めすることも。実はヘアオイルをきっかけにスキンケアを購入したという声も聞くことが多いんです。ハイクオリティなのに、価格帯も手に取りやすく、セミセルフの売り場で購入できるので、男性からも好評です。もしかしたらサロンでレジ横商品として1枚から購入できたら面白いかもしれません。サロンではスキンケアのタッチアップがなかなかできないので、フルラインナップ欲しい人は別の場で。直接的に店販として売り上げにつなげようというよりも、きっかけをサロンが作るという考え方が適しているのかもしれません。美容師としては「いいブランドを教えてくれる人」のイメージがつくと、お客さまからの信頼につながります。生涯顧客を育むことにもつながります。「シンピュルテ」はそんなアプローチができるブランドです。
中島:最近はサロン流通のスキンケアブランドも登場していますが、さまざまな障壁も感じています。谷口さんがお話ししているような広がり方が受け入れられやすいのかもしれませんね。「シンピュルテ」の導入サロンはしっかりとトレンドやお客さまのヘアデザインと向き合っているサロンが多い印象です。ブランドイメージとマッチしていることもあってか、販売数も伸びています。何よりも「マインドフルビューティ」というコンセプトはこれまでのサロン市場にはなかったものなので、差別化につながっていると考えています。