「感じた時に動けば、想像しなかった世界に出合える」東京パラ・カヌー代表が京都府北部の高校で講演
東京パラリンピックカヌー代表の辰己博実さん(47)が、京都府宮津市上司の海洋高で講演した。不慮の事故に遭うも、懸命なリハビリとトレーニングで競技に打ち込んできた歩みを振り返り、あきらめない大切さを伝えた。 辰己さんは2008年、スノーボード中の事故で脊髄を損傷して両足が動かなくなった。医師から車いす生活を告げられて不安を抱えるも、リハビリ中に「カヤックならできるかも」とプールで挑戦し始めた。水中でひっくり返ると、簡単には起き上がれない。それでも、「どうしたらできるか考え、リハビリに熱が入った」。 退院後は、カヌーがパラリンピック競技に選ばれるかもしれないと聞き、本格的に競技を始めた。初出場した世界大会で10位に入ったが、3年後の大会は全体の下から2番目の順位に。それでも、仲間からトレーニング法を学び、「練習内容を変えたことが結果につながった」とした。 辰己さんは「何かを感じた時に動くことが大切。自分が想像していなかった目標や世界に出合える」と生徒にエールを送った。講演は10月31日に開かれた。