<攻める・22センバツ倉敷工>初の大舞台へ、急ピッチ 吹奏楽部員、コロナ禍での練習重ね /岡山
第94回選抜高校野球大会は18日、開幕する。13年ぶりに出場する倉敷工の選手たちを音楽で応援しようと、同校吹奏楽部員たちがコロナ禍の制限の中、急ピッチで練習を重ねている。 球児たちの熱戦をアルプススタンドから盛り上げる恒例のブラスバンドの演奏。センバツでは新型コロナの影響で演奏できない状態が続いていたが今年、3年ぶりにブラスバンドによる応援が可能になった。 新型コロナは吹奏楽部の活動自体にも影響を与えている。予定されていたコンクールやイベントが何度も中止や延期となり、対外的には「何もやっていない」と2年の浅越勇輝部長(クラリネット)はため息をつく。顧問の浅野美帆教諭も「部員たちは入学した時から『コロナの時代』。本番の経験が少なく、満足に活動できていない」と話す。県大会での野球部の応援も1、2年生は一度もしていない。 1月末、センバツ出場が決まったが、県内の学校でクラスターが頻発していたこともあり、部活動は休止に。楽器を持ち帰って自宅で練習することも難しく、練習を再開できたのは開幕が2週間後に迫った今月4日だった。現在は放課後や土曜に約2、3時間、アルプススタンドでチャンスの時に演奏する「サウスポー」や「アフリカンシンフォニー」など18曲を練習している。 吹奏楽部員は1、2年生合わせて11人しかいない。屋外で音が届きにくい甲子園での演奏には不安があったという。だが今春、卒業した3年生と、浅野教諭が教べんを執る玉島商の吹奏楽部員も「助っ人」として参加してくれることに。18日の初戦では、約30人でアルプススタンドから選手たちを後押しする計画だ。浅越部長は「野球部のおかげで演奏できる機会ができた」と喜ぶ。吹奏楽部員にとっても、甲子園は初の大舞台になる。【岩本一希】