三浦知良の本音…日本は「まだ本場じゃない」 描く日本サッカーの未来とW杯優勝「イエスともノーとも」【独占インタビュー】
欧州組拡大を予想「バロンドールを獲る日本人が出てきてもおかしくない」
一方で、海外で活躍する選手は爆発的に増えた。それが、日本サッカーの進化にもつながっているのは間違いない。カズ自身は静岡学園高を1年で中退して単身ブラジルに渡った。当時としては異例だったが、今は高校から海外のクラブに行くことも珍しくない。 「時代を語れば驚かれるかもしれないけれど、世界も変わった。ボスマン判決(95年)以降は移籍の自由化が進んで、世界的に他国でプレーする選手が増えたから。日本もヒデ(中田英寿)や小野伸二、香川真司たちがチームの主力としてプレーして、今も多くの選手がヨーロッパで活躍しているからね」 日本がW杯初出場した98年フランス大会は代表全員がJリーガーだったが、22年カタール大会の代表は欧州組が大半。ビッグクラブの主力としてプレーする選手も増えるなど、個々の選手のレベルアップは目を見張るほどだ。 「もっともっとヨーロッパでプレーする選手が増えるだろうし、男子でバロンドールを獲るような日本人が出てきてもおかしくない。すでに女子では澤穂希さんが獲っているし。そのくらい今の日本人選手はヨーロッパで活躍していると思う」 選手のレベルアップを喜びながらも、日本サッカーが目標とする2050年大会までのW杯優勝については懐疑的だ。もちろん期待はしているのだろうが、冷静に分析して口を開いた。 「さすがに優勝となると簡単じゃない。これまで優勝を経験しているのは南米のブラジル、アルゼンチン、ウルグアイとヨーロッパのドイツ、イタリア、フランス、スペイン、イングランドだけ。100年近い歴史で8か国しか勝っていない。あのオランダだって優勝はないんだから(準優勝3回)、優勝は難しいんだよね」 第2の故郷、ブラジルが優勝から遠ざかっていることも、難しさを感じる理由だ。2002年日韓大会で5回目の優勝を果たしてからは自国開催だった14年大会のベスト4が最高。決勝にも進んでいない。 「毎回優勝候補に挙がるのに、勝てていない。史上最強と言われることも多いけれど、そういう時こそあっさり負けるんですよね。そのくらい、W杯で優勝するのは難しいということ」