北海道東川町「人生の学校」参加する男女の“目的” 学び直しの機会は社会全体としても重要になる
参加者に話を聞きました。 Aさん(30代男性、10週間ロングコース参加)は、もともと会社員として多忙な日々を送っていたそう。経営企画の部署にいたため、売り上げの管理、人の評価など慌ただしい毎日に心身ともに疲れていたと言います。そんな中でスマホアプリの記事でCompathのことを知り、申し込みました。 ただ実際に参加した当初は、対話の中で自分を曝け出すことがまったくできなくて苦しかったそうです。知らず知らずのうちに自分で会社員としての鎧を身に纏っていたため、ありのままの自分を出すことができなかったのです。
転機が訪れたのはある日のこと。木工クラフトの授業で自分の手に馴染むナイフを作る機会があり、木と対話するようなその行為をきっかけに変化が表れたそうです。徐々に自分を出せるようになってきたAさん、最終日には当時ハマっていたスパイスカレー作りを主導するようになったと言います。 プログラムをきっかけに、自分の人生について考えるようになったAさんは、現在は東川町に移住して地域の企業や農家さんの経理・経営企画的なサポートをしています。
Mさん(30代女性、1週間ショートコース参加)は、もともと会社でバリバリ働いていました。ただコロナ禍になり、オンライン会議が続くようになったことから同じルーティンの毎日でマンネリ化してしまっていることに孤独感や閉塞感を感じるようになりました。 何か変化のきっかけが欲しいと思うようになり、そんな際にCompathを知って参加に至ります。 参加して彼女が感じたのは、ちゃんと相手と「対話ができた」という実感。参加している人はわざわざ遠くから来ているためか、話したり聞いたりするイメージができている状態だったと言います。
どうしても人は立場で話したがるものですが、年齢もバラバラな人たちは、敬語禁止のルールの中でお互いをニックネームで呼び合います。そんな生活の中でMさんは人とのつながりを実感するようになりました。現在は新しいつながりを求めて転職への意欲が湧いてきているということです。 ■日常を離れることで価値観と目的が明確に 創業者の一人、遠又香さんに話を聞きました。 ―これまでの3年間はCompathにとってどのような時間でしたか?