【秋華賞】エピファネイア産駒は京都芝2000m65レースで1勝のみ ステレンボッシュ、チェルヴィニア、クイーンズウォークをデータで比較
京都芝2000mは川田将雅騎手の庭
次に、京都競馬場改修後に行われた芝2000m戦での騎手成績をみていこう。 <京都芝2000m(内) 有力馬の騎乗予定騎手成績> 戸崎圭太(ステレンボッシュ) 【1-0-0-0】勝率100%/連対率100%/複勝率100% C.ルメール(チェルヴィニア) 【1-3-2-3】勝率11.1%/連対率44.4%/複勝率66.7% 川田将雅(クイーンズウォーク) 【11-7-4-3】勝率44.0%/連対率72.0%/複勝率88.0% 集計期間:2023年4月22日~2024年6月23日の65レース まずは桜花賞馬ステレンボッシュに騎乗予定の戸崎圭太騎手。2000m戦への騎乗は1回しかなく、見事に1着となっている。ただこれだけではさすがにサンプルが少ない。そのため同期間の京都芝コースの全体成績もみていく。 成績は【2-1-4-14】勝率9.5%、連対率14.3%、複勝率33.3%。騎乗機会は少ないがリニュアール後もGⅠには3回騎乗しており、大きな心配はないだろう。 オークス馬チェルヴィニアに騎乗予定のC.ルメール騎手は、勝率11.1%、連対率44.4%、複勝率66.7%。1勝止まりではあるがさすがの安定感だ。 最後にローズSを制したクイーンズウォークに騎乗予定の川田将雅騎手。当該舞台では勝率44.0%、連対率72.0%、複勝率88.0%で驚異的な率を残している。平均人気が1.8と上位人気に騎乗することが多いが、回収率も単勝106%、複勝131%と100%超え。京都芝2000mは〝川田将雅騎手の庭〟といえる状況だ。
マイナスの少ないオークス馬チェルヴィニアに注目
最後に各馬の力関係を振り返ってみよう。 <桜花賞の成績> 1着 ステレンボッシュ(1:32.2) 8着 クイーンズウォーク(1:32.8) 13着 チェルヴィニア(1:33.4) <オークスの成績> 1着 チェルヴィニア(2:24.0) 2着 ステレンボッシュ(2:24.1) 4着 クイーンズウォーク(2:24.4) 桜花賞では差がついたが、オークスでは上位で競い合った3頭。こう見るとクイーンズウォークはステレンボッシュに春GⅠの2戦で先着できていないのが気になる。 ただ桜花賞を使い、オークスで着順を上げていることから、ローズSを使ったことはプラスだろう。そこで近10年の秋華賞での前走オークス組とローズS組の成績を比較してみる。 前走オークス【5-1-2-16】勝率20.8%/連対率25.0%/複勝率33.3% 前走ローズS【1-4-6-48】勝率1.7%/連対率8.5%/複勝率18.6% 圧倒的に前走オークス組の方が好成績となっている。近10年では前走オークス3着以内だった馬がそのまま秋華賞も制するケースが多い。 近10年の前走ローズS組から秋華賞を制したのは、2015年2着から巻き返したミッキークイーン1頭のみ。ただ同馬はオークス馬でもあった。データ的には2、3着が多く、1着は難しいというデータになっている。 ここまで様々なデータで有力馬3頭を比較してきたが、データからはチェルヴィニアに注目する。2着が多いハービンジャー産駒ではあるが、C.ルメール騎手騎乗で前走オークス組と好データも多い。 次いでクイーンズウォーク。川田将雅騎手騎乗でキズナ産駒と好データを持っているが、春GⅠでは他2頭に先着を許した点、前走ローズS組の成績が劣ることを考慮し、2番手とする。 最後に桜花賞馬のステレンボッシュ。エピファネイア産駒は京都芝2000m成績が他2頭の父と比べて大きく劣っている。また騎乗予定の戸崎騎手も他2人の騎手に比べると少し信頼度が落ちる点から3番手とする。 《ライタープロフィール》 高橋楓。秋田県出身。 サクラローレルの馬体の美しさに魅せられて競馬の世界に惹きこまれる。他に好きな馬はホクトベガ、サイレンススズカ。一口馬主を趣味とし、楽しさを伝える事にも注力している。 競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
高橋楓