どうする?ペットと一緒の災害避難 今から備える5つのチェックポイント
11月22日は「ペットたちに感謝する日」とのことです。近年各地で自然災害が頻発しており、人はもちろんのこと、忘れてはならないのが「ペットの災害対策」。今年7月に熱海市で発生した伊豆山土砂災害の現場では、多くのペットも被災し、自治体や地元NPO団体がペットの救援活動に奔走しました。大災害のリスクを前に、大切な家族の一員でもあるペットの被害を最小限に抑えるにはどうすればよいか、専門家に話を聞きました。(Yahoo!ニュースVoice)
ペットと一緒に避難できない――伊豆山土砂災害のケース
熱海市土砂災害の翌日から、被災したペットの救援活動を行ったNPO法人「くすのき」代表の那須みかさんが当時を振り返る。 「熱海市では学校等の指定避難所への犬の同行避難は可能となっていますが、今回は緊急避難先としてホテルが提供されたため、被災したペットとの同行避難がかなわず、対応に困った飼い主さんもいました。なかには、復旧までの1カ月間、犬と一緒に車内で避難生活を送った方もいました」 猫の保護活動を行う那須さんの団体では、最終的に140匹以上の猫と小動物を保護したというが、そもそも『ペットを助けてほしい』と言い出せない飼い主も多くいたという。 「命を落とした住民や行方不明者がたくさんいるなかでは、周囲への後ろめたさからペットのことを堂々と言い出せないという方が多くいました。そのため、我々保護団体やペットレスキューを行う民間災害時動物救済本部(CDCA)が率先して、ペットの救援にあたったのです」(那須さん)
欧米では定着「ペットの救命救急」が日本でも徐々に広がり
災害時のペットの救援活動は日本でも徐々に広がりつつある。海外でペットレスキューを学び、ペットの防災や救急法に詳しいサニーカミヤさんが災害時のペット対応の歴史を振り返る。 「イギリスでは約120年前からペットの救命救急法のカリキュラムがあり、それが約100年前に、アメリカの赤十字社に伝わりました。1992年、私がアメリカに渡った際、ニューヨークの消防局では、ペットの救命法や捕獲の方法など、既に取り入れて学んでいました。当時の日本ではまだペットレスキューは定着しておらず、『なぜ日本はペットを助けられないのだろう?』と思っていたところ、アメリカのペットの救命法の指導団体に出会いました。そこで学んだことをもとに、ペットの救命法や、消防士がどうやって現場でペットを助けるかといった方法を学べるペットセーバーというプログラムを始めたのです」 サニーさんがペットレスキューと出会って間もない1995年、阪神淡路大震災が発生した。 「人はもちろんのこと、動物たちもたくさん被災しました。そこで課題になったのが、『避難所に動物達を連れて行っていいのかどうか』ということ。当時は、動物の愛護ボランティアや保護団体が協力して、避難所に動物の応急救護施設を設置し、怪我した動物たちを診療したりするなど、今までにない事を行いました。以来、災害時にペットをどう守ったら良いか、ペットの同伴避難をどうしたらいいか、といった議論がだんだんと具体的になってきて、取り入れる市町村が増えています」(サニーさん)