え、早すぎ！？ 欧州から一瞬で帰ってきた日本人（9）大失敗…。クラブとの相性最悪、勢いを失った五輪のスター
日本サッカー界では、欧州クラブで主力として活躍する選手が続々と出てきている。だが、過去を遡ってみると、実力があるにも関わらず短期間で海外挑戦を終えて日本に戻ってきた選手たちもいる。今回は、様々な理由により欧州クラブ在籍1年未満で帰国した日本人選手をピックアップして紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照
FW/MF：永井謙佑 生年月日：1989年3月5日 移籍先：名古屋グランパス→スタンダール・リエージュ（ベルギー） 在籍期間：2013年1月～2013年8月 “ハヤブサ”の愛称をつけられるほどの圧倒的な加速力が武器の永井謙佑は、2012シーズンのJ1リーグでチーム最多となる10得点を記録した。良い流れのまま海外挑戦に臨んだものの、期待されたほどの結果を残すことはできなかった。 永井がベルギー1部リーグのスタンダール・リエージュに完全移籍で加入した年の前年、世界はロンドン五輪に熱狂していた。 なかでも、U-23日本代表は破竹の勢いで決勝トーナメントを勝ち上がり、44年ぶりのベスト4進出。準決勝、3位決定戦と連敗してメダルを手にすることはできなかったが、今後に大きな可能性を感じさせる戦いぶりだった。 U-23日本代表で特に光り輝いていたのは、1トップを任された永井だった。誰も追いつけない爆発的なスピードで相手を混乱に陥れた男は、全6試合に出場して2得点をマーク。大会終了後には五輪での活躍を目に留めたスタンダール・リエージュからラブコールを受け、ベルギーに活躍の場を移した。 だが、移籍後の永井は最強のストロングポイントを失う羽目になってしまう。筋力が足りないことを理由に筋力トレーニングの量を増やすようにクラブ側から指示された結果、自慢のスピードが落ちてしまった。 加速性能を失ったF1マシンがレースで勝てなくなるのと同様に、永井はベルギーの名門で活躍することができず。リーグ戦での通算成績は3試合出場1アシストと満足のいくものではなく、2013年8月に復帰オファーがあった古巣の名古屋グランパスに期限付き移籍した。 クラブのフィジカル強化方針との相性が悪く、翼をもがれた形となってしまった永井。ロンドン五輪の活躍がセンセーショナルだっただけに、ベルギーでの失速を残念に思ったファンも多かったはずだ。
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