血圧が高い! 減塩・減量と運動 数値を下げる効果が高いのはどちら?…握力トレーニングだけでも下がるのか
教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。今回のテーマは「血圧の下げ方」です。 【写真4枚】体力が落ちたと思ったときに…筋力アップ まずは20秒から
Q 高血圧が気になるけど、食事の改善は難しいなあ。 ヨミドック 血圧の改善には、運動も効果的なんですよ。上の血圧(収縮期血圧)が140以上、下の血圧(拡張期血圧)が90以上の場合に高血圧と診断されます。高血圧の人が運動をすると、平均で上が4・6、下が2・4低下するとされています。運動は、減塩や減量と同程度の降圧効果があると言えます。 Q どうして運動で血圧が下がるんだろう。 ヨ 運動は、血圧を上げるホルモンを減らし、下げるホルモンを増やしたり、血圧を上げる交感神経の緊張を緩和させたりします。その結果、血圧が低下します。
Q そもそも、高血圧だと体にどんな問題が起きるの。 ヨ 高血圧は動脈硬化を進行させ、脳心血管病による死亡を招く最大の危険因子となっています。実は、それに次ぐ因子は、身体活動の低さと指摘されています。つまり、運動によって、脳心血管病で亡くなるリスクは大幅に減らせるのです。 Q どんな運動がいい? ヨ 歩行やジョギングなどの「有酸素運動」と、筋力トレーニングやストレッチで筋肉に負荷をかける「レジスタンス運動」を組み合わせて行うのがおすすめです。 強度は、楽からややきついくらい、少し汗ばむ程度とし、週3~7日間、合計約200分を目標にしましょう。歯磨き中にスクワットをしたり、積極的に階段を利用したりするなど、毎日約30分、日常生活の中に運動を取り込めると理想です。
Q 体を動かすのは苦手なんだよね。 ヨ ハンドグリップを使った握力トレーニングでも血圧が下がると報告されています。握力の15~30%程度の強度のハンドグリップを、2分間握って1分間休むを交互に4セット、週3回以上続けると、運動に近い程度の降圧効果があると確認されました。 Q できる運動から取り組んでみよう。 ヨ 激しい運動は血圧を上昇させてしまうので、適度な運動を継続するよう心がけてください。運動時に動悸(どうき)や胸が締めつけられるような症状がある場合には、いったん中止し、必ず医師の診察を受け、その指導の下で運動しましょう。(鈴木恵介/取材協力=三浦伸一郎・福岡大心臓・血管内科学教授、宗像正徳・東北労災病院治療就労両立支援センター予防医療部長)