猫が動物病院を苦手なワケは? 通院の不安を少しでも和らげるためにできる工夫|獣医師解説
一般的に、猫は動物病院が苦手なコが多いようです。苦手に思う原因としては、おもにどのような理由があるのでしょうか。この記事では、「猫が動物病院を苦手な理由」や「通院の不安を少しでも和らげるためにできる工夫」などについて、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。 【写真】のぞき込む三毛猫
猫が動物病院を苦手に思う理由
――猫が動物病院を苦手に思う理由とはなんでしょうか? 岡本先生: 「猫はそもそも環境の変化に弱い生き物なので、自分のテリトリーである外に出ることに緊張してしまうのです。猫が動物病院を怖いと感じる原因としては、ほかの動物の鳴き声が聞こえたり、知らない人の気配がしたりなど、さまざまあると思います。また、以前に動物病院に行った際の怖かった記憶が残っていると、その後も苦手意識を持ってしまいます」
動物病院が苦手な猫の不安を和らげるためにできること
――子猫のころなど早めの時期になんらかの対策や工夫をすることで、動物病院への苦手意識を薄めることはできますか? 岡本先生: 「子猫のころから定期的にお手入れなどで通院していると、動物病院に慣れてくれる可能性があります。たとえば、処置後にごほうびを与えるなども、効果が見込めることも。ただ、猫の性格によっては慣れさせることは難しいかもしれません」 ――どうしても動物病院が苦手だという猫の不安を少しでも和らげるために、飼い主さんができることはありますか? 岡本先生: 「キャリーケースやクレートを普段から生活動線に設置しておき、猫が入ることに慣らしておくことが大切です。慣れておくと入ること自体がストレスにならず、移動の際のストレスも緩和できます。また、通院前に飲むことで気持ちがリラックスできるようサポートするカゼインのサプリメントや、猫のフェロモン製品などもあります。獣医師に相談のうえ、使用を検討してみてもよいでしょう」
猫を動物病院に連れていく際、キャリーケースを使うのが大切な理由
――猫を動物病院に連れていくとき、どのような方法が好ましいですか? 岡本先生: 「キャリーケースを使用しましょう。もし猫がキャリーケースに入るのを嫌がる場合は、バスタオルやブランケットに全身を包んでそのままキャリーに入れる方法もおすすめです。 首輪・ハーネスにリードをつけているからとキャリーケースに入れないで連れていくと、待合室で犬と接触したり、脱走したりなどの思わぬトラブルになります。 家と動物病院では猫の行動がまったく異なる可能性があるということを理解し、安全のために必ずキャリーケースに入れましょう」 (監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生) ※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。 ※記事と写真に関連性がない場合もあります。 ※記事の内容は2024年10月時点の情報です。 取材・文/柴田おまめ
ねこのきもちWeb編集室