【三国ボート・GⅠ北陸艇王決戦】下出卓矢が地元周年初制覇「諦めずに調整してよかった」
三国ボートの「GⅠ開設71周年記念 北陸艇王決戦」は3日、第12Rで優勝戦が行われ、下出卓矢(38)=福井=が2コースから差し快勝。地元周年初制覇でGⅠ2Vを飾った(通算22V)。1号艇で人気を背負い、悲願のGⅠ初優勝に挑んだ上野は2着に惜敗した。 ◇ 地元の牙城を守り抜いた。準優で会心の5コースまくり差しを決めて、三国周年では初となる優勝戦を2号艇で迎えた下出が、激しいスリット合戦を制して地元タイトル初制覇だ。 「事故レースになったけど差さっていましたね。バックの伸びも、出足やグリップ感も格段によくなっていました。1日あきらめずに調整してよかったです」 強ピット離れの毒島がおり進入から注目されたが、本番は枠なり3対3。4カドから飛び出した金子が1周1マークをまくって出たが、「ターンマークだけ回ろうとして、うまく回れました」と2コースからコンマ07の鋭いSを決めてブイ際を差した下出がBSで金子と並走。本体整備とペラ調整で上昇した足を武器に1周2Mを先取りして先頭に躍り出ると、金子がフライングで退き、そのままVゴールを駆け抜けた。 伸び特化の一撃仕様が持ち味だけに「GⅠ初V(2019年10月の平和島65周年)も2コースから差したので、また差しだなと思いました」とはにかんだがレース巧者ぶりも証明した。 今年4度目の優勝をGⅠで飾り、来年3月の若松SGクラシック出場権をゲット。「SGを走りたいとずっと思っていたし、ペラ調整のレベルを上げてSGでも戦えるようにしたい。伸びの精度は誰にも負けないようにしたいです」。4度目の出場となる来春の大舞台で〝結果〟を残すべく、本領の一撃仕様にさらなる磨きをかける。(小出大輔)