2台の失格で翁長実希が繰り上がり優勝。富下李央菜、平川真子がトップ3入り果たす【KYOJO CUP第5戦】
10月6日、静岡県小山町の富士スピードウェイで2024年KYOJO CUP第5戦が行われ、ポールポジションからスタートした下野璃央(Dr.DRY VITA)がトップチェッカーを受けたが、2番手の坂上真海(CRUX RYUREN VITA)とともにレース後の車検不合格により失格となり、繰り上がりで翁長実希(Car Beauty Pro RSS VITA)が今季2勝目を飾った。 【写真】第5戦で今季2勝目を飾った翁長実希(Car Beauty Pro RSS VITA) 日曜日の朝8時20分から行われた公式予選は、前日5日(土)からの雨の影響によりウエットコンディションのなか行われ、セッション後半に翁長のトップタイムを塗り替えた下野が2分11秒403を記録してポールポジションを獲得。2番手に坂上、3番手に翁長が続く結果となった。 一方ランキングトップの斎藤愛未(Team M 岡部自動車 D.D.R VITA)はペースが上がらず、6番グリッドから決勝レースを迎えることとなった。 12時40分から行われた12周の決勝レースでは、2番グリッドの坂上が好スタートを決めて自身初のラップリーダーとして1周目を終えたが、2周目に入ったメインストレートでスリップストリームを使った下野が、TGRコーナー(ターン1)でトップの座を奪還した。 6番手スタートの斎藤は、1周目のダンロップコーナーで金本きれい(KeePerアポロ電工フジタ薬局VITA)、3周目に富下李央菜(KTMS VITA)をオーバーテイクして4番手に浮上。4周目には2番手の坂上、3番手の翁長とともに2番手争いを繰り広げる好調ぶりを見せたが、レース中盤に入ると徐々にペースが鈍りはじめ、8周目を終えた時点で8番手まで後退してしまう。 レース終盤にさしかかった9周目、4番手の富下がTGRコーナーで翁長に勝負を仕掛けて3番手に浮上するも、コカ・コーラコーナーで翁長が抜き返し順位を死守。後方では山本龍(おさきにどうぞ☆VITA)とともに5番手争いを繰り広げていた金本がスピンを喫するなど、各所で激しい順位争いが繰り広げられた。 トップ争いでは、2番手の坂上が7周目のTGRコーナーで下野を抜いて逆転したが、8周目のダンロップコーナーでシフトミスにより失速。再度トップに浮上した下野はその後順調に周回を重ね、2位に1.8秒の差をつけてチェッカーを受けた。坂上はゴール直前に翁長からポジションを奪還して2位、翁長は3位となった。 しかしレース後の車検で、下野の86号車、坂上の18号車にシリーズ車両規定違反が見つかり、2台は失格に。繰り上がりで翁長が優勝、2位に富下、3位に9番手グリットからスタートして4つポジションを上げた平川真子(ROOKIE Racing RSS VITA)が続くトップ3オーダーとなった。 今季2勝目を飾った翁長は、「ここまで課題となっていた加速力を改善するためにチームと試行錯誤してきましたが、それでも足りないという状況でした。今回はいろんな人とバトルをしましたが、直線では相手と比べて苦しいところがありつつも、ブレーキングとコーナリングでは誰にも負けないくらいのポテンシャルがあったので、そこを活かして絶対に前に出さないように戦っていました」とレースを振り返る。 「来年はKYOJOフォーミュラになるので、VITAを使ってのKYOJO CUPはもしかすると最後になるかもしれません。自分がしっかり結果を出すのもそうですが、応援してくれた皆さんに恩返しができるように、感謝の気持ちを持って走りたいです」 チャンピオンシップ争いでは、累計81ポイントを獲得している斎藤がランキングトップを維持しているが、今大会で20ポイントを獲得した翁長が、斎藤との差を4ポイントまで縮めた。そんな両者の争いに決着がつくKYOJO CUP最終戦として行われる第6戦は、スーパーGT第5戦鈴鹿の開催延期を受けて日程変更となった12月22日に、富士スピードウェイで開催予定だ。 [オートスポーツweb 2024年11月01日]