偏差値別“全落ち”防ぐ受験戦略 芝、鴎友学園女子、青学、フェリス女子学院……それぞれ第1志望なら併願先は?
■12歳の意思で学校選び 鴎友学園女子はキリスト教系の学校を併願するケースが多いが、2日目に宗教のない田園調布学園(54)や大妻(57)なども選択肢に挙がる。 「1日午後は山脇(58)、同じ園芸の授業がある恵泉(55)などがいいですが、山脇は人気が上昇しているので、偏差値以上に厳しいと思っておきましょう」 神奈川県の女子校で人気の高いフェリス女学院(62)を第1志望に据える家庭も多い。 「以前はカトリック校とプロテスタント校を併願することは少なかったですが、1日午後の湘南白百合学園(58)、2日に横浜雙葉(56)なども選択肢に挙がってきます」 大学付属校からは、青山学院(男子54~56、女子59~61)を第1志望にしたケースを見てみよう。今年は2月2日から3日へ入試日程を変更している注目校だ。 「青山学院は大学への内部進学の割合が高いため、男子は同じように大学付属を併願することが多いです。1日は成蹊(50)や成城学園(53)、2日で立教池袋(56)、学習院(56)などです」 女子は校風で選ぶ風潮もあり、併願先は大学付属に限らずに幅広くみて、1日は香蘭女学校(58)、立教女学院(58)、学習院女子(59)など。2日は、山脇、大妻、田園調布(54)などが選ばれているという。 考えれば考えるほど、親子で悩んでしまいそうだが、安田さんは、併願校を選ぶ時の心構えを次のように話す。 「学校を選ぶ前に、まずご両親で我が子を成長させてくれそうな学校はどのような学校か話し合ってみましょう。そのいちばん大切なことを怠ってしまうと、学校選びが単に『受かりそうなところ探し』になってしまいます」 石井さんも「学校選びは6年間を想像して」とアドバイスする。 「学校に進学するのは子どもです。12歳は意思をもって学校を選べる年齢。全ての併願校が、子どもが進学したいと思っている、楽しく過ごせる学校となっているかを意識してほしいですね」 (ライター・柿崎明子) ※AERA 2024年11月18日号
柿崎明子