なぜ人間はこうも食べる? 空腹ホルモンと食欲の関係性
おなかがすいて仕方ないのはグレリンのせいかもしれない
腸に住むグレリンはレプチンと協力して私たちの食欲を調節しており、胃がほぼ空っぽになると、食事の時間であることを脳に知らせる。 ラジェスワラン医師によると、グレリンは脳と消化管をつなぐ迷走神経を通して働き、あなたが食事をとってから約3時間は大人しくしている。 でも、あなたの体重が減っているときは体が餓死の危険性を察知して(体には、あなたが意図的に体重を減らしていることが分からないため)、グレリンの分泌を加速させる。その結果、いつもよりおなかがすいて食べ物を漁りながら、またしても人がこうも食べる理由を思案する羽目になる。 とある実験では、過体重の成人集団が体重を平均13.5kg減らしたところ、グレリン値が体重を減らす前より20%高くなった。
空腹ホルモンを大人しくさせることは可能?
ある程度は可能。空腹ホルモンを大人しくさせておくための第一のルールは、すぐに体重が減るという流行のダイエットに手を出さないこと。このようなダイエットではリバウンドが避けられないし、レプチン抵抗性も生じてしまう。 あなたの食事を構成する1つひとつの食品に気を配ることも大切。満腹の間はグレリンも黙っているので、低カロリーで腹持ちのよい間食(ポップコーンやブロススープ)を。 また、レプチン(たくさん欲しいホルモン)の不足と亜鉛の不足を関連付ける研究結果も存在するので、亜鉛が豊富な食品(豆類、牛肉、カシューナッツなど)を取り入れて、体内の満腹感知器(レプチン)を増やし、健康的な体重の実現と維持を後押ししよう。 「亜鉛はレプチンの分泌と輸送に関係しているため、亜鉛が不足するとレプチン抵抗性が生じます」とラジェスワラン医師。 「亜鉛はグルコース(糖)と脂質の代謝においても重要な役割を担っています」。そして、早食いは絶対禁物。ゆっくり食べれば、レプチンが自分の仕事に集中できる時間が増える。 最後に、今夜は少し早く寝てみよう。米シカゴ大学の論文によると、ちょっとした寝不足でもグレリン値が高くなり、体に脂肪がたまりやすくなる。 これで2つのホルモンは、あなたの味方だ。 ※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。