蜜月の中国とベネズエラ「独裁国家との付き合い方」ウォッチャーが解説
時代遅れのモンロー主義。「アメリカは偉そうに自分たちの優位性を主張するな」ということだ。アメリカの裏庭・中南米で、アメリカの影響力が低下し、きょうお話ししたベネズエラのような反米勢力の存在は心強い。 ベネズエラは、南米における中国の出先機関、代理店のような存在かもしれない。「アメリカが手にして、測ろうとする物差しだけが世界の物差しではない」ということだろう。 中国とベネズエラ。この2つの国の共通点として、独裁的なパワーを持った指導者の存在、権威主義国家、民主的なルールや、人権を軽視する――。いくつも共通点があるように思える。 中国からすれば、外交や経済など、自分たちが目指す国づくり、国際秩序づくりに、沿う相手なら、だれとでも、どこにあっても手を組む。支援を惜しまない――ということなのだろう。ベネズエラのマドゥロ氏は、国内が落ち着けば、早い段階で北京へ行くかもしれない。 ベネズエラだけではない。かつてソ連の衛星国として、暗黒の時代を経験した東欧(=東ヨーロッパ)でも、セルビアやハンガリーなどで、指導者が専制的な動きを進めている。そして、これら国々と中国との蜜月関係は、確実に強まっている。 ■◎飯田和郎(いいだ・かずお) 1960年生まれ。毎日新聞社で記者生活をスタートし佐賀、福岡両県での勤務を経て外信部へ。北京に計2回7年間、台北に3年間、特派員として駐在した。RKB毎日放送移籍後は報道局長、解説委員長などを歴任した。
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