平塚市における認知症初期集中支援の実践と課題―内門大丈先生インタビュー【前編】
◇軽度認知障害(MCI)から介入してサポートを
現在の認知症初期集中支援は、行動・心理面での周辺症状(BPSD)が強い人、たとえば妄想などがあって病院に足を運べないといった人たちへの介入がほとんどです。もちろんこのような処遇困難事例への対応はこれからも必要ですが、今後は認知症初期、軽度認知障害(MCI)の人たちに対しての介入にも関わりたいと考えています。 MCIから認知症への年間移行率は10%ほどになるといわれています。近年、MCIの人が適応となる薬が登場しているものの、安定的に医療を提供できる体制が整っていないことが課題となっています。また診断されても治療を受けられる場所や相談機関がなく、この先多くの「MCI難民」が生まれるのではないかと懸念されています。そのような人たちに対してどのような医療機関に行ったほうがよいのかなど、私たち認知症初期集中支援チームが率先してアプローチをしていくべきだと考えています。
メディカルノート