苦しい顔をしても笑顔でも、開発の進み方は変わらないから──ファインダー越しに見た長島哲太×ダンロップの挑戦
2025年はリザルトを意識したレースにシフトチェンジする
チームもライダーも3年目(2026年)の目標に向かってやるべきことを確実に行なっている。しかし、そうは言ってもあと2年後には勝たなくてはいけないのがこのプロジェクトの使命だ。この件について藤沢監督に聞くと──。 「現状のパフォーマンスには満足していないのは当然です。来年は明確にリザルトを意識したレースを組み立てます。そうじゃないと目標に間に合わないですからね。開幕戦から出来るかどうかは分かりませんが、来年のレースに関してはリザルトを意識したタイヤ作りを進めていきます。 今年はベース開発・基礎開発に振り分けていろいろなデータが取れましたから、来年は少しでもタイムをよくするために何ができるかという所をもっと詰めた形でレースを進めていけるよう準備をしていきます。そして来年こそどこかで表彰台に上がってチャンピオン争いの下の方にでも絡んで『よし! 2026年はチャンピオン取りにいくぞ!』と言って再来年のレースに向かう。それが2025年のテーマですね」(藤沢) 2025年は今年より一か月以上遅く、4月20日にモビリティリゾートもてぎで開幕戦を迎える。このシーズンオフ、チームとダンロップは各地で精力的にテストを行う予定だ。長島哲太が今年1年自分で蓄積したデータを使い作られたタイヤを武器に来年どこまで上がって来るのか。そして、目的が“順位を上げること”に変わったレーシングライダーの表情をピットでレンズ越しに捉える日が、今から楽しみでならない。 【真弓 悟史 Satoshi Mayumi】1976 年三重県生まれ。鈴鹿サーキットの近くに住んでいたことから中学時代からレースに興味を持ち、自転車で通いながらレース写真を撮り始める。初カメラは『写ルンです・望遠』。フェンスに張り付き F1 を夢中で撮ったが、現像してみると道しか写っていなかった。 名古屋ビジュアルアーツ写真学科卒業。その後アルバイトでフィルム代などの費用を作り、レースの時はクルマで寝泊まりしながら全日本ロードレース選手権を2年間撮り続ける。撮りためた写真を雑誌社に持ち込み、 1999 年よりフリーのフォトグラファーに。現在はバイクや車の雑誌・WEBメディアを中心に活動。レースなど動きのある写真はもちろん、インタビュー撮影からファッションページまで幅広く撮影する。 ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
●文と写真:真弓悟史