「株で失敗する人の特徴」ワースト9 総資産6億円の個人投資家が4分の1を「現金」で保有の理由
できれば、記録もつけたほうがいいでしょう。いつ、いくらで買ったのか、なぜそのタイミングで買おうと思ったのか、失敗したならどこが悪かったのか、どうすれば失敗を繰り返さずにすむか。自分のやり方を見直し、改善を重ねることによって、やがて自分なりの勝ちパターンが見えてきます。 100回取り引きを行なうまでは、とにかく生き残ること。退場しないことが最優先です。そうすれば、やがて技術が磨かれ、自然と勝てる投資家になれます。 ■第5位 分散投資をしない 株式投資をするうえで分散投資は非常に大事な考え方です。 (1) 時間の分散 タイミングをずらしながら、少しずつ、何回かに分けて買うことです。手もとの資金を一度に投じてはいけない、ということですね。 2024年に入って、日本株が上昇しています。こういうときほど、「今、買わないと乗り遅れる」と焦るあまり、集中投資してしまいがちです。でも、もしかしたら明日、暴落するかもしれません。こうしたリスクを避けるために、毎月、一定額をコツコツ積み立てていく積み立て投資をみんなこぞって勧めているわけですが、個別株投資においても、時間の分散はきわめて重要です。 (2) 資金の分散 私は現在、6億円の資産を保有していますが、6億円すべてを個別株に投じているわけではありません。その時々によって変動はありますが、現在は、以下のように資金を分散しています。 ・個別株(日本株)……1億5000万円 ・現金……2億5000万円 ・不動産(足立区に3棟)……2億円 個別株投資をオススメしている私ですが、総資産に占める個別株の割合は4分の1にすぎません。このように資金の分散をしておくと、リスクコントロールになります。注目していただきたいのは、現金比率の高さです。総資産のうち、4分の1以上は現金(日本円)です。
(3) 銘柄・業種の分散 みなさんは、このような相場格言を聞いたことはありませんか? 「卵はひとつのカゴに盛るな」 卵をひとつのカゴに盛ると、もしそのカゴを落としてしまった場合、すべての卵が割れてしまいます。しかし、いくつかのカゴに分けて卵を入れておけば、そのうちひとつのカゴを落としてしまって、卵がぜんぶ割れてしまっても、他のカゴの卵は影響を受けずにすみます。 つまり、ひとつの銘柄だけに投資するのではなく、いろんな銘柄に投資したほうが安全だという意味です。 ■第4位 損切りをしない 相場には、損切りができる人、できない人がいます。できる人は勝てる投資家で、できない人は負ける投資家といえます。株式投資において、損切りはそれくらい重要で、初心者がつまずきやすいところなのです。 私は、脳科学の研究者でもあるのですが、その観点から見ると、損切りができない理由は「2つのバイアス」が関係しています。 1つは、「損失回避バイアス」です。人は損することを極端に嫌う、という心理を指します。 もう1つは、「サンクコストバイアス」です。これまでに費やした回収することのできない金銭的・時間的・労力的な費用のこと。今さらどうしようもないのに、つい人はサンクコストに固執してしまい、合理的な判断ができなくなってしまいます。 では、どうすれば損切りができるようになるでしょうか。やり方は3つあると思っています。 1つは、なるべく安いところで買うように心がけることです。高い株価で買うと、それだけ下げがきつくなります。急落、暴落を待ち、狙った銘柄をなるべく安いところで待ち構えて買うようにしてください。 もう1つは、ルールをしっかり決めること。「ここまで下がったら損切りする」というルールを、買う前に決めてしまうのです。