親子二人三脚で歩むF1キャリア、時には親離れ・子離れが必要に? 父との不和経験したハミルトン「必ずしも良いとは限らない」
レッドブルF1代表の女性問題をめぐりマックス・フェルスタッペンの父ヨス・フェルスタッペンが意見を述べたことについて、メルセデスのルイス・ハミルトンがコメント。F1キャリアに親が関与することは「とても難しいこと」だと語った。 【ハイライト動画】F1 2024バーレーンGP決勝 オフシーズンからF1界を騒がせているホーナー代表の女性従業員に対する不適切行為疑惑。チームを所有するレッドブル社による独自調査は終了しホーナー代表の潔白が証明されたかのように思われたが、その直後に疑惑の証拠らしきモノがリークされるなど、シーズン開幕後も依然くすぶり続けている。 この問題に対してヨス・フェルスタッペンは開幕戦バーレーンGP後に初めて言及し、ホーナー代表がこのまま指揮を取り続ければ、チームが“分裂”する可能性があると警告した。 ヨス・フェルスタッペンのコメントについて質問されたルイス・ハミルトンは、発言自体を聞いていないものの、親が子のF1キャリアに関与することが適切だとは思わないと語った。 「僕はその詳細を知らないんだ」とルイス・ハミルトンは言う。 「でも結局のところ、彼はチームの一員ではなく、ひとりの親なんだ。それはただの意見だけど、役に立たないことなのは明らかだ」 ルイス・ハミルトンは父アンソニー・ハミルトンと二人三脚でレースキャリアを積み重ね、F1でも以前は父がマネジメントを担当し、レースやピットガレージに常に姿を見せていた。 しかしそれがふたりの関係にストレスを与え、ルイス・ハミルトンがプロフェッショナルなマネジメントチームのサポートを受けることを望み、ふたりは従来の関わり合い方を止めることを決めた。 ドライバーのキャリアに親が密接に関与することがどれほど難しいのか? と尋ねられたルイスハミルトンは、親子でキャリアを築くことは簡単ではないと明言した。 「とても微妙なラインだ。親との関係にも左右されると思う」とルイス・ハミルトンは言う。 「親との関係が良好で、素晴らしい親だったと言う人もいれば、関係が悪かったという人もいる。必ずしもドライバーにとって親の存在が良いとは限らない」 「彼(マックス・フェルスタッペン)の親子関係については分からない。色々なことを耳にするのは明らかだけど、マックスはもう大人だしチャンピオンだ。自分で判断できると思うよ」 「僕らの世界では、ドライバーとして、耳元で囁かれることに簡単に惑わされてしまうと思う。常に正しい方向に導いてくれるとは限らない」 「彼のケースがそうだと言っている訳じゃない。彼らは素晴らしい結果を残しているからね。でもスポーツの世界では……テニスでもそうだし僕も経験したことがあるけど、周りに適切な指導者がいないと、間違った決断を下したり、自分がやっていることでベストを尽くせなかったりすることがあるんだ」 「見ての通り、彼のケースはそうじゃないし、彼は上手くやっている。親は親であってほしいし、良い関係であってほしいから、とても難しい。ビジネスが絡むと本当に難しくなるんだ」 フェルスタッペンと同じく2世F1ドライバーであるケビン・マグヌッセンもまた、F1キャリアにおいて親と密接な関係を築くことに否定的な姿勢を取っている。 現在ハースからF1に参戦するケビン・マグヌッセンは、2014年にマクラーレンからF1デビューを果たす際、父ヤン・マグヌッセンにマネジメントの役割を担わないよう求めたという。 「キャリアのかなり初めから、父から影響を受けたくないということをハッキリと伝えてきた」とケビン・マグヌッセンは言う。 「彼はそれに対応しなければならなかったと思うけど、これは僕の旅で、僕のプロジェクトだとかなり明確にしていた。彼にもキャリアがあるから、彼はそれに集中すべきだ」 「そして彼は上手くそれをやっている。父からはできる限りを学ぼうとしてきたし、人生を通して父から学び、質問することができたのは本当に光栄なことだった」 「でも実際にレースへ出たり、自分のキャリアをマネジメントしたりする時に、父の影響は受けたくなかった。自分の(マネジメント)チームを持ち、父に尋ねることもなく、自分のことだけをやってきた。それが上手くいっていると思うよ」
Adam Cooper
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