舞いあがれ ! 「浮体式」洋上風力関連で将来有望な6銘柄
五島列島の沖合に設置されている巨大な風力発電機(写真:bebenko/PIXTA)
NHKの連続テレビ小説「舞いあがれ!」(3月31日まで放送)の舞台の1つとして話題になった長崎県・五島列島。その沖合、約5キロメートルの場所に、風車を勢いよく回す巨大な風力発電機がある。戸田建設(1860)が2016年に実用化し現在も商用運転を継続する、日本初の大型浮体式洋上風力発電設備(出力2メガワット級)だ。 スパー型と呼ばれる細長い円筒形状の浮体構造の上に、風車とタワーが海上に突出して固定され、3本のチェーンで海底に係留されている。海中の最も深いところから風車翼(ブレード)の先端までの全長が172メートル、海面上に浮いて見える部分の高さは96メートル。円筒部の最大直径は7.8メートル、総重量は約3400トンである。 この実績を元に、同社を中心としたコンソーシアム(共同事業体)が五島列島沖での大規模な浮体式洋上風力発電所(ウインドファーム)の建設を進めている。2022年4月には再エネ海域利用法に基づいて、同事業が国内で初めて公募占用計画の認定を受け、正式に始動した。 計画はいずれも浮体式発電設備8基からなり、総出力16.8メガワット、海中に沈んだ部分を含めると全長176.5メートルの巨大構造物となる(ローター径80メートル)。2022年10月には1号機の浮体が完成、海上での風車組み立て作業を開始した。2024年1月の商業運転開始を目指す。
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野津 滋