センバツ高校野球 作新学院に春到来 2年連続 チーム一丸、V目指す /栃木
2年連続の大舞台へ――。26日に開かれた第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会で、作新学院(宇都宮市)の出場が決まった。作新学院のセンバツ出場は2年連続12回目で、春夏通算28回目の甲子園となる。昨秋の県大会と関東大会で優勝し、明治神宮大会では県勢初の準優勝と快進撃を続けた。この日、出場決定の知らせに選手たちは喜びを爆発させた。大会は3月18日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。【鴨田玲奈、面川美栄】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 作新学院の選手らは同校グラウンドで大会公式サイトを見守った。午後3時45分ごろ、「作新学院」と呼ばれると、選手たちは引き締まった表情で喜びをかみ締めていた。 その後、高橋光男・総合進学部部長が部員46人を前に、「一日一日を大切に積み重ねながら、さらなる高みを目指してほしい。作新学院らしい粘り強い全力プレーを甲子園で見せてほしい」と激励。選手たちは「よーしっ」と拳を上げながらジャンプしたり、笑顔で帽子を投げたりして全身で喜びを表現した。 小針崇宏監督は「新チームが始動してから日本一を目指し、少しずつ前進してきたが、現実に出場が決まり選手一同感動している。まだスタートラインに立ったばかりだと思っているので、これから発展途上のチームを全員の力で成長させていきながら、今日から準備していきたい。全国に元気を与えられるような全力プレーで臨みたい」と意気込んだ。 昨秋の公式戦計9試合に登板し、59回を投げ防御率1・07だったエース小川哲平(2年)は、「より一層気が引き締まる。チームを勝たせられるような投手になりたいと思っているので、もっと仲間や監督からの信頼を得られるように、普段の生活から見直していきたい」。捕手の岩出純(同)は、「出場が決まり日本一になる権利が得られた。残り1カ月半、自分たちができることをしっかり考えて一日一日を無駄にせず練習していきたい」と話した。 主将の小森一誠(同)は「名前が呼ばれて、うれしい気持ちの半面、関東王者としての自覚や責任が芽生えた。秋の結果に過信することなく、もう一度初心に戻って、日本一になるために、チーム一丸となって臨んでいきたい」と力を込めた。 ◇「声で暴れる」 チアや応援部も気合 出場が決まると、グラウンドに集まっていたチアリーディング部と吹奏楽部、応援部、生徒会が野球部にエールを送った。「フレーフレー作新」と大声で激励し、学院歌や「君の瞳に恋してる」「アゲアゲホイホイ」の演奏と演技で2年連続のセンバツ出場を祝った。吹奏楽部の宮田心春部長(2年)は昨春も甲子園で演奏しており、「また野球部に連れて行ってもらえてうれしい」と笑顔。応援部の吉新陽斗部長(同)は「甲子園に向けて頑張って」という気持ちを込めて声援を送った。センバツに向け、「昨年は太鼓で暴れたので、今回は声で暴れる」と気合十分だった。 ◇号外を配布、ファン歓喜 宇都宮 作新学院のセンバツ出場決定を伝える毎日新聞の特別号外が26日、同校や宇都宮市内などで配られた。 号外はカラー刷り2ページ。昨秋の県大会や関東大会でのチームの活躍ぶりを伝える写真も掲載された。出場決定が決まり、学校に駆けつけた「40年来の作新ファン」という近所の男性(80)は、号外を手に取りながら「全国でも名前の知られた作新が出場すると、甲子園も盛り上がる。上位を目指してほしい」と喜んだ。 ◇甲子園、春夏27回出場 1885年に「下野英学校」として創立。作新館、下野中学校などと改称を重ね、現在の校名となった私立の男女共学校。 トップ英進・英進部、総合進学部、情報科学部があり、生徒数は3615人。2011年には、文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール」に指定された。陸上部や水泳部、ボクシング部など全国大会で活躍する部活動は多数。 野球部は1902年創部で、部員は47人。甲子園は過去27回出場(春11回、夏16回)。62年には史上初の甲子園春夏連覇を達成し、2016年夏も優勝した。プロ野球のOBは八木沢荘六氏(元ロッテ監督)、江川卓氏(元巨人投手)ら。 宇都宮市一の沢1の1の41(電話028・648・1811)。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇県勢のセンバツ出場校 大会 年 出場校 成績 11回(1934) 栃木中 2回戦 16回(1939) 栃木商 1回戦 23回(1951) 宇都宮工 準々決勝 30回(1958) 宇都宮工 2回戦 33回(1961) 作新学院 2回戦 34回(1962) 作新学院 優勝 35回(1963) 宇都宮商 1回戦 43回(1971) 作新学院 2回戦 45回(1973) 作新学院 準決勝 47回(1975) 小山 1回戦 48回(1976) 小山 準優勝 49回(1977) 作新学院 1回戦 51回(1979) 作新学院 1回戦 宇都宮商 2回戦 58回(1986) 宇都宮南 準優勝 59回(1987) 国学院栃木 2回戦 60回(1988) 宇都宮学園 準決勝 61回(1989) 宇都宮工 1回戦 63回(1991) 宇都宮学園 2回戦 65回(1993) 佐野日大 3回戦 66回(1994) 佐野日大 1回戦 68回(1996) 宇都宮工 準々決勝 69回(1997) 国学院栃木 2回戦 72回(2000) 国学院栃木 準決勝 作新学院 準々決勝 74回(2002) 宇都宮工 1回戦 76回(2004) 作新学院 1回戦 78回(2006) 真岡工 1回戦 79回(2007) 佐野日大 2回戦 80回(2008) 宇都宮南 2回戦 84回(2012) 作新学院 2回戦 85回(2013) 宇都宮商 2回戦 86回(2014) 白鷗大足利 2回戦 佐野日大 準決勝 89回(2017) 作新学院 2回戦 90回(2018) 国学院栃木 3回戦 95回(2023) 作新学院 準々決勝 石橋 2回戦 96回(2024) 作新学院 ? ※栃木中は現栃木、宇都宮学園は現文星芸大付