ふるさと納税「見直し検討」で大阪・泉佐野市が会見(全文1)幅広く議論を行い納得できるルールを作るべき
幅広く議論を行い納得できるルールを作るべき
これまで数回にわたって返礼品に関して総務省からの通知は届いておりますし、私宛に総務省から何度か直接ご連絡を頂戴しています。しかし、例えば返礼品の調達率は3割までといったことについても、なぜ3割なのかといった明確な根拠を示されたことはなく、また何をもって地場産品とするのかなども曖昧であり、総務省が一方的な条件を押しつけていると理解せざるを得ません。泉佐野市の現在の返礼品は、市の担当者が生産者や卸業者、小売業者らと何度も話し合いを重ねるなど、長年にわたってさまざまな努力やアイデアから生まれたものです。泉佐野市以外の他の自治体の返礼品の多くも、そのような努力やアイデアの結晶であることをぜひ理解していただきたいと思います。 ふるさと納税制度が導入されて10年近くがたち、泉佐野市においては、民間業者はもちろん、市民やスタッフなど、多くの人がこの事業に携わっており、性急に見直すことが困難であることも事実です。もちろん泉佐野市としても、行き過ぎた自治体間の返礼品競争を抑制するために、一定のルールや基準を設けること自体には賛成いたします。ですが、そのルールや基準は総務省が独断で決めるものではなく、自治体、有識者、国民、世論などを含めて、幅広く議論を行い、大多数が納得できるものをつくるべきではないでしょうか。 返礼品の調達率については、本来は制度を運用する各自治体の判断に委ねられるべきものだとは思いますが、しっかりとした根拠があり、全ての自治体が遵守するルールとするならば、3割以内とすることに泉佐野市も賛同いたします。しかし、地場産品については豊富な特産品を持つ自治体とそうではない自治体との間で格差を生じることは容易に想像でき、幅広い意見を踏まえた上でしっかりと考えていくべきではないかと考えています。ふるさと納税の返礼品として人気のある特産品を持たない自治体への配慮や、各自治体で創意工夫ができるような余地を残すことなどの意義なども含めて、しっかりと論議するべきなのではないでしょうか。 以上がふるさと納税制度に関する現時点における泉佐野市のスタンスと考えです。今後、国や総務省には、ふるさと納税に関する議論の場を設けていただけるよう望みます。泉佐野市としましても、今回の大臣会見を受けて困惑されている他の地方自治体さまなどと連携して、より良いふるさと納税制度の在り方を模索していきたいと考えております。平成30年9月28日、大阪府泉佐野市市長、千代松大耕。以上でございます。