乳がん早期発見のための「4つのポイント」とセルフチェック法を医師が解説
「がん」は早期発見・早期治療ができれば、今や「不治の病」ではなくなりました。 そこで乳がんの早期発見方法と生存率・治癒率が上がる初期乳がんの検診・検査とセルフチェックの重要性について、乳腺専門医の田中義人先生(ソワカ乳腺・形成外科クリニック大阪院長)にMedical DOC編集部が話を聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
乳がんはどんな病気? 日本女性が罹患するがんの第1位って本当? 治療で完治させられる?
編集部: 「乳がん」とはどんな病気ですか? 田中先生: 乳がんは、乳房の「乳腺」という組織にできるがんです。女性にとって最も罹りやすいがんの一つですが、一部の男性にも発症することがあります。 編集部: 乳がんを患う方は多いのですか? 田中先生: はい。女性はとても多いです。乳がんに⽇本⼈⼥性がかかる割合(罹患率)は、がんの中で最も⾼く、さらに年々増加しています。最近のデータでは、毎年9万⼈以上が新たに乳がんにかかると言われています。 編集部: どんな症状が出るのですか? 田中先生: 乳がんの初期症状はほとんどありません。進行すると、しこりや乳房の張り、変形(くぼみ)、乳首からの分泌物、乳房の皮膚の変化(赤み、乳頭の陥凹など)が見られます。 編集部: 乳がんは治療で治すことができますか? 田中先生: 初期の段階で発見されれば、治癒が期待できます。一般的に、がんの発見が遅くなればなるほど、治癒する可能性が低くなります。
乳がんは早期発見が大事と言われる理由を医師が解説 初期の乳がんを発見するにはどんな検査・検診が必要?
編集部: やはり、早期発見が大事なのですね。 田中先生: その通りです。ほとんどの場合初期段階では腫瘍が小さく、周囲の組織やリンパ節への転移がまだ進んでいないため、手術と術後の補助療法によってがん細胞を死滅できる可能性が高くなります。また、早期に発見できれば、乳房を温存できる可能性も高くなります。 編集部: 乳がんを早期発見するためには、どうしたら良いのでしょう? 田中先生: 普段から乳がんを他人ごとだと考えず、ご自身の乳房を意識する生活習慣が大事です。「ブレスト・アウェアネス」という言葉があるのですが、これは「日頃から乳房の状態を意識する生活習慣」のことで、4つのポイントがあります。 編集部: ぜひ知りたいです。 田中先生: ・普段から自分の乳房をチェックしましょう ・乳房の変化に気を付けましょう ・気になる変化に気づいたときには、検診を待たずにすぐに乳腺外来のある医療機関を受診しましょう ・自覚症状がなくても、40歳から2年に1回、定期的に検診を受診しましょう この4つが、乳がんを早期発見するために大切な生活習慣です。 編集部: なるほど。定期的に検診を受けるだけでなく、自分でも乳房の変化に気づけるようになることが大事なのですね。 田中先生: はい。「乳がんかどうか」を見極めようとする必要はありません。ただし、いつもの乳房の状態を知らなければ、変化があったときにすぐに気づくことができません。ですから、変化に気づくために普段から自分の乳房をチェックしていただきたいのです。