乳がん早期発見のための「4つのポイント」とセルフチェック法を医師が解説
乳がんの早期発見に役立つセルフチェック 生理が終わって1週間後に行うといいって本当?
編集部: では、チェックするときのポイントを教えてください。 田中先生: まずは、両手を高くあげたり、だらんと下ろしたりしてみて、乳房や周りの皮膚の「ひきつれ」や「くぼみ」などがないかを見ます。次に、実際に触ってみてチェックを行います。 編集部: やり方の一例も、ありましたら教えてください。 田中先生: 3~4本の指をそろえ、「の」の字を書くようにして、乳房全体をゆっくりチェックします。普段と違わないかをチェックしてもらえれば十分なのですが、もししこりがないかも確認するのであれば、「乳房の外側上部」を特に注意して確認してみてください。 ほかには、乳首からの分泌物や、脇の下に塊がないかを見ておくのもおすすめです。 編集部: チェックするのはいつごろが良いのでしょう? 田中先生: 女性は、月経前には乳房の張りを感じ、月経後半には張りが減少していきますので、一般的な乳がん検診でのチェックのタイミングは、月経終了後1週間程度が良いとされています。 しかし、ご自分で行う場合は、「習慣づけ」が大事なので、あまり神経質に考えず、気が付いたときにチェックするだけでも十分です。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあればお願いします。 田中先生: 乳がんの好発年齢は、40代後半~50代前半と言われています。女性にとって、子育てなどで忙しい時期にピークがくる傾向にありますので、普段から「ブレスト・アウェアネス」をライフスタイルに取り入れていくことが大切です。 さらに、60代になっても、がんの罹患率が大幅に下がるわけではありません。60代以降の方も、「私は関係ない」と思わずに、生活の中でのチェックや定期的ながん検診の受検を心がけてください。
編集部まとめ
一般人「がんを見つける」のは難しそうですが、「普段との違いに気づく」ことなら素人でもできそうです。女性にとって最も罹りやすいがんである「乳がん」について正しく知り、早期発見・早期治療につなげていきたいですね。
【この記事の監修医師】 田中 義人 先生(ソワカ乳腺・形成外科クリニック大阪) 2002年、関西医科大学を卒業し、同年関西医科大学 形成外科入局。その後、岡山大学病院形成外科や関西医科大学形成外科などで研鑽を積み、2014年には関西医科大学総合医療センター ブレストセンターの副センター長となる。2022年5月、乳腺外科と形成外科の専門的な治療を行う「ソワカ乳腺・形成外科クリニック大阪」を開院、院長となる。日本乳癌学会乳腺専門医、日本形成外科学会専門医、日本臨床皮膚外科学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医。
Medical DOC